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2010年11月19日

「あたしゃ、カックン!」

グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ‾ベスト・ヒッツ・ライヴ デラックスエディション


ポールのリマスター盤シリーズ第壱弾「BAND ON THE RUN」の出来映えが素晴らしかったので、1年前に発売された最新ライヴ盤の豪華版(CD二枚+DVD二枚)を一昨日にようやく買いました。ポールのアルバムは出たら普通はすぐ買うのだけど、此処のとこ毎年みたいに実演盤がCDやDVDで出ていた(海賊盤を含めたら月刊ペースです)ので、昨年の此れは保留にしていたのです。現在68才のポールは此のライヴ時に67才ですから「もう好いじゃないか、ポール!」と叫びたくなる様な映像は観たくないわけですよ。其れに、昨年は「ビートルズ・リマスター祭り」でしたから、ハッキリ云って、此の作品が発売された事実も半年後位に気付いたのでした。

ところがですね、DVDを観て、あたくしは何度も「カッコイー!」と声に出してしまったのです。一体、何なんだ此のジジイはっ。CDでも聴ける本編は全33曲!(メドレーも在るから、実質的には35曲)当然乍らポールは出ずっぱりでビートルズ、ウイングス、ソロ、ファイアーマンの全キャリアから珠玉の名曲を演奏し歌いっ放しです。70才近いジジイが「ヘルター・スケルター」を絶叫しちゃうだけでも驚愕なのですけど(しかも、散々歌いまくった後のアンコールで絶唱!)、此の時には最新作だった2008年のファイアーマン「ELectric Arguments」からの「Highway」と「Sing The Changes」をバンドで演ってしまう格好よさ!現役感バリバリ!!ベース、エレキ・ギター、アコギ、マンドリン、ウクレレ、ピアノと演奏楽器も相変わらず八面六臂です。曲の途中で楽器を変えたりなんかもしちゃうのだ。ジョンに捧げた「HERE TODAY」では、ポールが「マジ泣き状態」になってしまうのですけど、其れが余りにも感動的なのです。こんなポールは観た事が在りません。67才になったからこその熱唱でした。「A DAY IN THE LIFE」から「平和を我らへ」と繋いだレノン・メドレー最新版には、思わず涙が溢れてしまいました。

そして、ボーナスDVDが此れまた好い。本編は伝説の「シェイ・スタジアム(ビートルズが大衆音楽史上初めてのスタジアム・コンサートを行った場所)」の後継として新設された「シティ・フィールド」のこけら落としで昨年に行われたショーなのですが、こちらでは其のパブでNY市内の野外特設ステージで行われたフリー・ライヴが観れます。思いっきり「THE GET BACK SESSIONS」での「アップル屋上ライヴ」を彷彿とさせる演出で、ポールもヘフナー・ベースで一曲目が「GET BACK」なのだ。もうね、ジーンと来ちゃうよ。

壱番古いナムバーだと、1963年のビートルズのデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME」の初っ端を飾った「I SAW HER STANDING THERE」(NY公演って事で、ピアノと歌でビリー・ジョエルが客演)から始まって、ビートルズ時代の名曲は20曲も披露しているのだけど、全く以て「懐メロ」ショーにはなっていないのが凄過ぎます。ポールは「オリジナル通りのアレンジで演奏してるよ。ファンは其れを望んでる」と云いますし、確かに原曲のイメージを崩さないからこそ観客も大合唱しているのでしょう。しかし、其処に立ちパフォーマンスして居るのは、紛れも無い「現在の、70才近いポール・マッカートニー」なのです。ライヴならではのグルーヴ感が堪りません。未だ未だイケルじゃん。嗚呼、ポール、また来日してくんしぇい。

最近のポールは、普通にしてるとめっきりと老け込んだ「70才近いおじいちゃん」に見えるのだけど、ステージに立って演奏する姿は正に「神」ですね。やっぱ、此の人は常人じゃないよ。化物だ。本当に、スゲぇ。永遠に、あたくしの偉大なるアイドルで居て下さい。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする