w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ノーマン・スミス
2E:ケン・スコット(10/12、11/10)、ジェリー・ボイズ(11/9)
録音:1965年10月12日(take 5)
MONO MIX:1965年11月9日
STEREO MIX:1965年11月10日
1965年12月3日 アルバム発売 (「RUBBER SOUL」 B-7)
パーロフォン PMC 1267(モノ)、PCS 3075(ステレオ)
アルバム「RUBBER SOUL」の最後を飾るのはジョン・レノンの作品で、「RUBBER SOUL」セッションで最初に録音された曲です。有名な話ですが、作者のジョンは此の曲を「クズだ」「キライだ」と公言しています。エルヴィスがカヴァーしてヒットした「BABY, LET'S PLAY HOUSE」から歌詞を転用した事も認めたうえでの発言ですので「照れ隠し」もあるのかもしれません。
ジョンが語る通りに「締め切りに追われ、何か書かなければならないから捏ち上げた」のでしょう。其れでも好い曲になっちゃうんだから困ったもんです。アルバムのセッションで最初に取り上げたのですから、単なる埋め合わせとは考えられません。大体、そんな駄曲をアルバムの最後に収めたりしませんよ。ビートルズのアルバムは全て「ジョン・レノンの最新自信作から録音される」と云う暗黙の了解もありますので、案外ジョンは此の曲を気に入っていたのかもしれません。
前述の通り、アルバム「RUBBER SOUL」の方向性は此の曲の次に録音された「NORWEGIAN WOOD(This Bird Has Flown)」で決定されたとは思いますが、此の楽曲でも既に「RUBBER SOUL」らしさが示されています。ブライアン・ウイルソンは改変されたアメリカ盤の「RUBBER SOUL」を聴いて「フォーク・ソング集だ」と云いましたが、此の疾走感溢れる曲でもジョンが弾くのはアコギなのです。ディランの影響もあったのでしょうけど、1965年のジョン・レノンはアコースティック・ギターにより傾倒していました。
アルバム「RUBBER SOUL」を年末のクリスマス・シーズンに間に合わせ、ビートルズの1965年は終ります。翌1966年には、またしても新たな展開へと進むのですが、其のひとつに「ジョン・レノンの曲作りが明らかに変わった」事があります。デビュー以来のポップなレノン節は「RUBBER SOUL」で完結しました。ジョンは、意図的に違う世界へ向かいます。ポールの覚醒と成長が鮮やかに感じられるのは、ジョンの変化による部分も大きいのです。
ソレからですね、ビートルズの邦題にはナイスなものが多いのですけど「RUBBER SOUL」あたりになると本当にトンデモです。シングルの「恋を抱きしめよう」とか「何で?」としか思えませんけど、「ひとりぼっちのあいつ」に「嘘つき女」で「浮気娘」ですよ。何なんだ?おまいはコジマユか?「ひとりぼっちのあいつ」って、もしかしたら「こいつ」に掛けてんの?だから、そもそも何で「THIS BOY」が「こいつ」なのよさ。
(小島藺子)
さて、本日(10/31)は、つげ義春さんと「L/竜崎」のお誕生日です。御目出度う御座居ます。マンガのキャラと一緒にしちゃってすみません。でも、つげさんって凄いんですよ。「ゲゲゲの女房」であたくしが壱番面白かったのは、つげさんと池上遼一さんがアシスタントでいた時代でした。水木先生の著書で読んだ実話で、水木先生が調子が悪そうなつげさんを心配して「どうしたの?」と訊いたら、つげさんが「首の上に頭が乗っていて、重くて辛いです」って応えたエピソードは衝撃的でした。そんな物凄い事を、壱度は云ってみたいもんですよ。
(小島藺子)