w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ノーマン・スミス
2E:ケン・スコット(11/3)、ジェリー・ボイズ(11/9)、リチャード・ラッシュ(11/15)
録音:1965年11月3日(take 2)
MONO MIX:1965年11月9日(1)、11月15日(2)
STEREO MIX:1965年11月9日
1965年12月3日 アルバム発売 (「RUBBER SOUL」 A-7)
パーロフォン PMC 1267(モノ)、PCS 3075(ステレオ)
ポール・マッカートニーがメインで書いた甘い曲に、ジョン・レノンがミドル8で苦みを加えた「レノン・マッカートニー」の合作。前述の通り、アルバム「RUBBER SOUL」のA面は、前曲「THE WORD」から此の「MICHELLE」と正真正銘の「レノマカ楽曲」が続きます。「MICHELLE」は「ポールの代表作」のひとつと云えますが、かつての「AND I LOVE HER」同様に「ジョンが手伝った」名曲です。クリシェを使ったイントロから、いきなりメジャー・コードで歌い出したりテンション・コードを多用したりと複雑な展開で、歌詞にはフランス語を交えてもいますが、実に自然に聴かせてしまいます。中間部をジョンが手伝ったとはいえ、実にポールらしい楽曲で他の人には書けないでしょう。ちなみに、スティーヴィー・ワンダーは「MICHELLE」を聴いて影響され「MY CHERIE AMOUR」を書いたそうです。
1966年度グラミー賞最優秀楽曲賞を受賞した名曲ですが、シングル・カットはされていません。それで、英国ではオーバーランダーズがカヴァーしてシングル化し、チャッカリ1位を獲得しています。アルバム「RUBBER SOUL」からは、本国英国では一曲もシングル・カットはされませんでした。ビートルズにとって其れは珍しい事ではなく、他にも「WITH THE BEATLES」、「BEATLES FOR SALE」、「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)二枚組!」からもシングル・カットはありません。オリジナル・アルバムの約半数が「シングル曲を収録していない」わけで、しかも「グラミー賞最優秀楽曲賞受賞曲がアルバム収録のみ」なんて、聞いた事がないですよ。
アルバム「RUBBER SOUL」から、ポールはリッケンバッカーのベースを多用しますが、矢鱈とベースが目立つ様になります。ジョンとジョージによる大人っぽいコーラスも素敵ですが、此の曲の肝は下降するベース・ラインでしょう。「ビゼーに影響されてクリシェを使った」と平然とパクリ元を明かすポール自身も此のプレイは会心の出来だった様で、大いに自画自賛しています。あたくしが初めて買ったビートルズのアルバムは未CD化の「オールディーズ」ですが、其れは「YESTERDAY」と「MICHELLE」が入っていたからでした。オマケで貰った小冊子に「ベスト盤の『オールディーズ』では、彼等の本質に触れる事は出来ない」と書かれていて、とってもショックでした。正に♪ミッシェル、なぜ?愛しちゃいけないの?♪と云う気分になったものです。
(小島藺子/姫川未亜)
さて、本日(10/25)は、大和田伸也さん(片瀬那奈ちゃんとは「冷静と情熱のあいだ」「暴れん坊ママ」「こち亀」「浅見光彦〜最終章〜」などで名を連ねていますが、絡みはありません)のお誕生日です。御目出度う御座居ます。
(小島藺子/姫川未亜)