w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ノーマン・スミス
2E:ケン・スコット(10/21、22、25)、ロン・ベンダー(10/26)
録音:1965年10月21日(take 1-2)、10月22日(リメイク take 3-5)
MONO MIX:1965年10月25日(take 4 より)
STEREO MIX:1965年10月26日(take 4 より)
1965年12月3日 アルバム発売 (「RUBBER SOUL」 A-4)
パーロフォン PMC 1267(モノ)、 PCS 3075(ステレオ)
ジョン・レノンの傑作。アルバム「RUBBER SOUL」からは、本国である英国では一曲もシングル・カットされていませんが、米国や日本ではシングルで発売されました。挙げ句に、米国盤の「RUBBER SOUL」には此の名曲が入っていません。いえ、其れどころか米国盤の「RUBBER SOUL」には「DRIVE MY CAR」も「WHAT'S GOES ON(消えた恋)」も「IF I NEEDED SOMEONE(恋をするなら)」も入っていないのです。オリジナルが14曲入りなのに、4曲を削除してですね、事も在ろうにA面とB面のトップに英国では前作の「HELP !」から「I'VE JUST SEEN A FACE(夢の人)」と「IT'S ONLY LOVE」を配した12曲ってラインナップで発売したのです。
米国盤の「HELP !」はサントラ盤仕様で、其れは其れで好いのですけど、よーするに英国盤のB面7曲が入ってないのです。其れで、其の7曲から2曲を「RUBBER SOUL」に入れて、「RUBBER SOUL」からは4曲を外しまして、次の「REVOLVER」からも3曲抜いちゃうのです。でもってですね、「HELP !」の2曲+「RUBBER SOUL」の4曲+「REVOLVER」の3曲+シングル「DAY TRIPPER / WE CAN WORK IT OUT(恋を抱きしめよう)」の11曲でアルバム「YESTERDAY AND TODAY」を捏ち上げてしまったのだ。ん?「HELP !」の残り3曲はどーした?って、、、其れはですね、既に此れまた捏ち上げた「BEATLES VI」に入れていたんだよ〜ん。
えっと、此の経緯がまた厄介で、「BEATLES VI」と「YESTERDAY AND TODAY」はそれぞれオリジナルである「HELP !」と「REVOLVER」の英国発売よりも先に発売されています。つまり、米キャピトルはインチキ・アルバムを出す為に出来上がった新曲を英国オリジナル盤制作途中に「早くよこせ!」と要求したわけですよ。流石は、アメリカです。
さて、肝心の楽曲ですけど、名曲ですね。1965年の「RUBBER SOUL」までは、ジョンがマトモにポップな楽曲を書こうと努力していたと思われます。実際、此の曲も本人曰く5時間も試行錯誤した結果、行き詰まり投げ出した途端に「天から降ってきた」みたいです。年間2枚のアルバム制作契約に応えるべく、当時のジョンは必死だったのでしょう。
冒頭のメロディーが、日本の童謡「こいのぼり」(♪おひさまのぼる、もえたつみどり♪)とソックリです。此れは偶然の一致なのでしょうか?ジョンは後にヨーコと出逢いますが、1966年の来日公演時に面会した若大将・加山雄三さんの証言によれば、ジョンは日本に非常に興味を持っていて、みんなでスキヤキを食べた時に「日本ではこうやって食べるんだろ?」と正座したらしいのです。イヤミの「シェー!」も完璧にマスターしておりました。ゆえに、あたくしは、ジョンは童謡「こいのぼり」を聴いた事があったのではないか?と思っております。
ビートルズの作品は、1968年の「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」までは基本的にはモノラルとステレオで発売されています。ところが、1965年の「HELP !」と「RUBBER SOUL」は、1987年に初CD化された際にジョージ・マーティンがリミックスしたステレオが定番となりました。正直に云いますと、其の二枚こそ「モノラルで出すべきだった」と思いますよ。更に此の楽曲は、1999年の「YELLOW SUBMARINE SONGTRACK」で新たなリミックスが行われております。ジョン、ポール、ジョージの三声コーラスが美しく、来日公演で聴いた若大将も「『ノーホェア・マン』は、前奏なしでいきなりコーラスから出る曲だよな。客席には聞こえないような音で誰かが合図して、セーノで出たと思うんだけど、それを見事にやったんで、オオッ、カッコいいと思ったのは覚えてる。」と語っています。(「レコード・コレクターズ増刊 ザ・ビートルズ コンプリート・ワークス 2」より)
あたくしは、若大将がちゃんと聴いていた、いや、ちゃんと日本公演は客席で聴こえていたって事に感動しましたよ。「客が五月蝿くって、音楽なんか聴こえなかった」とか書いている連中は、大嘘つきだったのですね。「サインはするもので、してもらうもんじゃない」と、ビートルズのサインを貰わなかった若大将の発言ですから、信憑性が在りまくりです。
本当に好い曲で、特にジョンのヴォーカルが素晴らしいです。少し枯れていて、テンポも微妙にズレているフレージングが胸にグッと来ます。でも、特に好きなのは、エンディングでしっとり決めるジョンに対して甲高い声でハモるポールが絡む部分です。「おいおい、莫迦じゃねーの?」と呆れるジョンが目に浮かびますけど、其処で暴走するのがポールの十八番です。普通だったら、此の二人は合うわけないのに、ズバリと決まるんだよナァ。正に、奇跡のコムビですね。ジョン、全然「ひとりぼっち」じゃないじゃん。
(小島藺子/鳴海ルナ)
ところで、本日(10/22)は、草笛光子さん(片瀬那奈ちゃんとは「熟年離婚」で共演)のお誕生日です。御目出度う御座居ます。しつこく云いますけど、「熟年離婚」もDVD化されておりませんので、是非、団長の英断を望みます。
そんでもってですね、最近ビートルズ関連記事が増えて「FAB4」再開!って展開は「わざとやってます(キッパリ)」
もしも片瀬那奈ちゃんが此処を読んで居るのなら、「何で、あたしの記録ブログなのに、枝葉へ行ってんだよ?」って、片瀬那奈ちゃんに思って欲しいのよさ。あたくしは、常に、片瀬那奈ちゃんに向けて此処を書いています。勿論、枝葉に行ってるんじゃないのです。僕は、此処で片瀬那奈ちゃんに関する事しか書いていません。此処は、片瀬那奈ちゃんを記録し考察する場所です。此のロジックは「NOWHERE MAN」のオチとして相応しいでしょ?
(小島藺子/姫川未亜)