本日(10/18)は、「カタセカイ」では、郷ひろみさんと蜷川実花さんのお誕生日です。御目出度う御座居ます。其れでもって、ロックの世界だとチャック・ベリーのお誕生日って事になっております。84才になられました。未だ、色んな意味で現役バリバリです。かつて、還暦記念コンサートを記録した映画「ヘイル!ヘイル!ロケンロール」で音楽監督を務めたキース・リチャーズに「真面目にやってくれよ。これは映画になって、俺やアンタが死んだ後も遺るんだぜ」と諭されたら、チャックは「俺様が死ぬわけないだろ」と真顔で云い放ちましたけど、本気だったのですね。
チャック・ベリーと云ったら、そりゃもうエラいのですよ。ロケンロールってのは彼が発明したわけでして、ジョン・レノンも「マイ・ヒーロー!」と紹介して共演した時には涙目になってましたし、「ロケンロールを言い換えるなら、チャック・ベリーだ」とも云っております。ビートルズもビーチ・ボーイズもローリング・ストーンズも、みんなチャック・ベリーなくしては成立しないんですから、此れはもう「ロケンロールの神様」で御座居ます。
でも、何だか本人はあんまりエラソーじゃないのです。80才を超えても現役でドサ回りをやってます。資産はあるのでしょうけど、何だかつまんない事でよく捕まってたりもします。自分の経営するレストランの女子トイレに盗撮ヴィデオを仕掛けたとか、信じられない罪で服役しちゃっているのです。ドサ回りもギター抱えての一人旅ってスタイルが基本で、バンドは現地調達みたいです。其れも、何の曲をやるかなんて教えないらしいです。「俺様がイントロを弾けば、分るだろ?」なのです。
そりゃ、ジョン・レノンも憧れますよね。ジョンも即興ライヴとかやったけど、其れは前衛だったわけで、マトモな実演で即興に近いってのは1969年9月のトロントです。前日に出演を承諾して、当日に現場へ向かう飛行機でリハーサルしただけのぶっつけ本番だった模様はCDやDVDで観賞出来ます。レノン、ガクブルですもん。ま、其れは其れで、カッコいいけどさ。でもですね、其のライヴって「ロケンロール・リバイバル・ショー」ってイベントで、前座でジェリー・ルイスとかリトル・リチャードとか、勿論チャック・ベリーも出てるのよさ。此れは、レノンにとって、物凄いプレッシャーですよ。実際、オヤジどものパフォーマンスは図抜けてます。
ジョン・レノンにとって、一世一代の大勝負だったのでしょう。此のライヴを終えて、英国に帰ったレノンはビートルズ脱退宣言をぶちかますのです。当時のレノンはラリっていて「俺はキリストだ!」発言とか、ポール宅襲撃事件とか無茶苦茶だった様ですけど、此の時の脱退宣言はマジだったのだと思います。
てか、マジでチャック・ベリーは死なないんじゃまいか?そうあって欲しいです。お誕生日、御目出度う御座居ます。
(小島藺子)