「もう、戻る場所なんてどこにもないの」
(「ブラッディ・マンデイ」2008年)
片瀬那奈ちゃんは、ドラマや映画で結構死にます。前述の1999年の初連続ドラマ出演作「天国のKiss」で交通事故に逢って血だるまで絶命したのに始まり、同年の次作「氷の世界」では刺殺されふたたび血まみれになりました。2006年の映画「デスノート the Last name」では目隠し拘束状態で身悶えながら絶命!と来ましたが、此の「ブラマン」では初めての自決シーンを演じたのです。
第4話で、スパイだとバレた片瀬那奈ちゃん演じる宝生小百合は、最後の悪足掻きで人質を取って病院の屋上へ向かいます。然し乍ら、悪人に徹し切れない宝生は、人質を解放し自ら命を絶つのです。今回のセリフは、宝生が説得にも応じず拳銃で自分の頭を撃ち抜く直前に発した「最後のコトノハ」です。
宝生は、兄を国家権力によって失ったとの過去が在り、其の復讐の為にテロ組織に加担しました。されど、心優しい人なので「失敗」してしまうのです。テロ組織のスパイで在り乍ら、遥(うみに〜)に向ける情愛は本物でした。どー考えても「宝生ゾッコン☆LOVE」の上司:加納(タモッちゃん:松重豊さん)が最後まで助けようとしたのも、私情もあるのでしょうけど「宝生の本心」を信じていたからでしょう。
沢山の登場人物が無惨にも死んでゆく作品「ブラマン」の中でも、宝生は最も難しい役どころだったと思います。此の辺の片瀬クンのシリアスな演技は、もっと評価されても好いでしょう。まぁ、コメディエンヌ路線が振り切れ捲っているので、シリアス路線は「食い足りない」って思われちゃうのかもしれませんけど、連続ドラマのレギュラーとしての出演作が此の「ブラマン」の次が「うたおに」だったって事実だけでも、片瀬那奈ちゃんの振幅の広さが分ります。
さて、本日(9/23)は、ゴンこと中山雅史選手のお誕生日です。御目出度う御座居ます。またそのうち、サッカー番組で御一緒されるでしょうから、片瀬クンをどうぞ宜しく御願い致します。
(小島藺子/姫川未亜)