「遅いよ、遅過ぎるよっ!」
(「氷の世界」1999年)
片瀬那奈ちゃんの月9初出演となった「氷の世界」で演じた迫田七海は、数在る那奈ちゃんが演じた役柄でもかなり好きです。此処のプロフィールでの代表作には挙げていませんが、其れは「年間で一作」って考えての事でして、正直に云いまして女優デビューした1999年の作品は全部好いのですよ。「最後のデート」「GTOドラマスペシャル」「天国のKiss」「氷の世界」と続いた女優デビューの年での那奈ちゃんは、正しく其の時でしか観られない初々しい姿を魅せてくれました。
ハッキリ云うとですね、此の頃の那奈ちゃんの演技は稚拙です。でも、必死に演技を学ぼうとして成長してゆく過程が記録されています。特に「氷の世界」ではセリフ回しが過剰になっていて、まるで舞台女優みたいになっているのです。明らかに、那奈ちゃんが「如何に演じるか?」と迷い乍ら戦っていたと感じられます。
もう二度と、片瀬那奈ちゃんは此の時と同じ言い回しは出来ないでしょう。七海ちゃんのイントネーションは、他の作品では味わえない独特なモノです。そして、其れがとっても魅力的だったのです。数多ある那奈ちゃんのセリフの中でも、何故かこの「遅いよ、遅過ぎるよっ!」は個人的に耳に残っております。「おそいよ、おそ、すぎるよっ!」って節回しが、余りにも過剰で情熱的なんですよ。物語では惨殺される役でして、何度観ても泣いてしまいます。来月に「DVD BOX」が発売されますので、是非御覧になって下さい。
主題歌の「ダイヤモンド・ダスト」が、あんまり気付かれないかもしれませんけど、サー・ポール・マッカートニーの「Beautiful Night」から頂いちゃってるんですよ。♪デデデン!デデデン!♪ってトコはモロなので、確信犯です。ヒムロックは「DEAR ALGERNON」って曲でも、ちゃっかりポールの「Only Love Remains」をモロパクしてたりして、意外にもかなりの「ポール好き」みたいです。
さて、本日(9/20)は、片瀬那奈ちゃんが出演し11月に公開される「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」で共演されている鈴木砂羽さんのお誕生日です。アムロちゃんのお誕生日でもありますが、あたくしの大切なおともだちのお誕生日でもあります。皆さん、御目出度う御座居ます。
(小島藺子/姫川未亜)