「好きだぁーっ!!」
(「GTOドラマスペシャル」1999年)
「美少女H2 最後のデート」で女優デビューした片瀬那奈ちゃんですが、御本人は其の出来映えに絶望された様で、其の挫折を糧にして「真の女優道」へと向かいました。ゆえに、第二作となった「GTOドラマスペシャル」では、より本気度が増した片瀬那奈ちゃんを観る事が出来ます。
そもそも「美少女H」とは、那奈ちゃんも語る様に「新人の登竜門」的な深夜番組で、ハッキリ云いますけど「コアなアイドリアン」しか観ていなかったと思います。デビュー作では役名も「片瀬那奈」の侭なので、正直に申し上げますと「那奈ちゃんのプロモーション映像」と考えていました。当時としては、初めて「動いて話す那奈ちゃん」が観れただけで、ファンとしては充分だったのです。
今でこそ、片瀬那奈ちゃんは「唯一無二の女優」として敬愛しておりますが、1999年には全く未知数の逸材でした。那奈ちゃんは、アイドルだったんですよ。其れが「GTOドラマスペシャル」を観て、何やらザワザワとして来たわけです。其れは次作の連ドラ初出演作「天国のKiss」で決定的になりましてですね、御蔭様で10余年も追っかけさせて頂く事となったのでした。
此の作品が放映された時には、片瀬那奈ちゃんの覚悟とか所謂ひとつの「伝説の台本」なんて事は全く知らずにですね、単純明快に「おいおい、那奈ちゃん、出来るコじゃん!」と注目しちゃったんですよ。物語は、「GTO」鬼塚(反町隆史さん)が新たに赴任した女子高の生徒で那奈ちゃん演じる「山口梨香」が、武田先生(細川・ヒビキ・茂樹サン)と恋愛関係に在ったにも関わらず、武田先生が所謂ひとつの政略結婚を選んだので無惨にも捨てられてしまうわけです。梨香ちゃんは両親の離婚問題などもあって荒れまして、友人を罠に嵌めたりして問題児となります。其れで、「GTO」が一肌脱ぐわけですね。
武田先生の結婚式に梨香を連れていって、映画「卒業」みたいに決めようとした「GTO」の目論見はスカされ最悪な展開になりますが、メゲない「GTO」はバイクに梨香を乗せて海へダイブ!と無茶苦茶なやり方で「お前は武田先生の事をどう思ってんだ?」って答えを引き出すのでした。其れが、今回取り上げたセリフです。
梨香が武田先生を好きだって事は、視聴者は誰でも分っているわけで、其れをコトノハとしてどう云うのかが注目すべき処なのですよ。死ぬかもしれない極限状態での告白ですので、当然乍ら絶叫するのですが、此れが好いんだナァ。絶叫なんて誰にでも出来ると思うでしょうけど、そうじゃないんですよ。心に刺さる叫びでした。「那奈ちゃんゾッコン☆LOVE」になるには、充分すぎる「本格的ドラマ進出」だったのです。正に、僕たちが那奈ちゃんに対して「好きだぁーっ!!」と叫びたくなった時でした。
さて、本日(9/17)は、「黒のカリスマ:蝶野正洋」のお誕生日です。御目出度う御座居ます。得意技の「ケンカキック(ヤクザキック)」は、高校時代にサッカーをやっていた経験から編み出された技ですので、是非とも片瀬クンも継承して頂きたいと思います。
(小島藺子/姫川未亜)