「そうなれば、瀬戸内海は、わたしのモノよ!」
(「鉄板少女アカネ !!」2006年)
引き続き、西豪寺エレナ様のセリフです。第2話で明石へ向かったミクロちゃんの前にヘリコプターに乗って現れたエレナ様は、鯛バトルを開催すると宣言するのです。勝利を確信しているエレナ様ですが、其の鯛バトルで優勝して、西豪寺チェーンの店舗が拡大ってトコまでは何となく理解出来るものの、何ゆえ「瀬戸内海を征服」って野望へと飛んでしまうのかは理解不能です。
おそらく、エレナ様の脳内では緻密な計画があってですね、此の「明石・鯛バトル」の帰着点が「瀬戸内海制圧」って絵図が出来ていたのでありましょう。若くして西豪寺グループのトップに君臨するエレナ様は、非常に頭脳明晰で先の先まで読んでおられるのです。それで、うっかりこんなトンデモ発言を発してしまうのですよ。
其れにしてもですね、エレナ様は瀬戸内海を手に入れて何がしたかったのでしょう?普通ですね「関西制覇」とか「四国制覇」とか、陸地を云いますよね。何故に「海」なのよさ。エレナ様は、どっか狂っているんですよ。ま、そこが可愛いんですけどね。
エレナ様は、全国行脚するミクロちゃんが行く処に必ず現れます。其れはミクロちゃんの父親である「神楽鉄馬」を探さなければいけないからなのでしょうけど、意識的にミクロちゃんを追うのではなく偶然に出逢う展開になっております。必ず各地でエレナ様が主催する料理対決が行われるわけでして、エレナ様が誘っている様にも感じられますが、実はエレナ様もミクロちゃん同様に「事の真相」を全く知らずに踊らされているのでした。
此のドラマは、ミクロちゃんとエレナ様のライバル・ストーリーとして展開しますが、驚愕的な「オチ」を二人とも知らずにガチンコでぶつかり合うからこそ美しい。二人とも純粋に真剣勝負をしたからこそ、奇跡のタッグ結成へと向かうのです。今年(2010年)に放映された「プロゴルファー花」は、厳しく云えば、題材を変えた焼き直しとも云えます。「ミクロちゃん vs エレナ様」と「花 vs リコちゃん」は、とっても類似点がありました。ゆえに、片瀬クンが演じた作品で最高のライバルは「ミクロちゃん」との評価は、未だ変わりません。
(小島藺子/姫川未亜)