「はじめまして。わたくし、このビルのオーナー、西豪寺エレナと申します。よろしくね、ミクロちゃん」
(「鉄板少女アカネ !!」2006年)
今回は、片瀬那奈ちゃんの当たり役「西豪寺エレナ様」が、堀北真希ちゃん演じる「神楽アカネ」と初めて逢った場面で発せられたセリフです。エレナ様には名セリフが多いので、今後も何度か取り上げると思います。
エレナ様は、初対面でエスカレーターを降りてくるアカネを高見から見下ろして仁王立ちになりまして、礼儀正しく自己紹介をします。問題は其の後でありまして、何故か勝手にアカネを「ミクロちゃん」と命名してしまうのです。以後、ずっとエレナ様はアカネを「ミクロちゃん」と呼びつづけますが、劇中で其の呼称を使っているのは当然乍らエレナ様だけでした。例外的に北村が「ミクロ!」と呼び捨てにする場面がありますが、定着はしません。初期設定では北村がエレナ様の寝首をかく野望を抱いていたらしく其の名残なのでしょうけど、エレナ様の暴走が凄過ぎて北村の野望はどっかへ消えてしまいました。
堀北真希ちゃんは公称160cmで、そんなに小さくはありません。共演している「ゆず・みかん」役の双子の「奈津子(公称161cm)、亜希子(公称160cm)」と並んでも、若干ミクロちゃんの方が背が高く見えます。確かに片瀬クンは公称172cmでミクロちゃんよりも背が高いのですけど、親友でミクロちゃんの先輩である内山理名ちゃんは公称157cmとミクロちゃんよりも更に小さいのです。何ゆえ、エレナ様は「ミクロちゃん」と命名してしまったのでありましょうか。ミクロちゃんも、いきなりだナァで呼ばれて「ミクロちゃん?」と怪訝そうです。
此れはですね、西豪寺グループの社長であるエレナ様にとって、門前月町で鉄板焼き屋を営むアカネなど「取るに足らない小さな存在」だと云う事を表現しているのでしょう。単に身長差の問題ではなく「わたくしはビッグなのよ、うわっはっはっは」と、トシちゃん風に驕っておられるのですよ。兎も角、此の「ミクロちゃん」と云う呼称はインパクトがありましてですね、我々「カタセ・メイニア」の間では、以後「ミクロちゃん」が堀北真希ちゃんの呼び名として定着しました。
原作での「西豪寺エレナ様」は、1エピソードに登場するだけの端役です。勿論、アカネを「ミクロちゃん」などと呼んだりもしません。原作にも登場する人物ですが、共通するのは名前くらいでほとんどオリジナル・キャラクターと云って差し支えない存在です。片瀬クンは其れを自由奔放に演じ、見事に魅力的な役柄にしました。回を追うごとに暴走度が増してゆく様は、正に「水を得た魚」です。此の役を演じなければ、その後の「女優・片瀬那奈」は全く違っていたと思われます。「鉄板少女アカネ !!」と云う作品は、もしかしたら存在しなかったかもしれない「危うい経緯」で成立しておりますので、千載一遇のチャンスを片瀬クンは掴んだと云えるでしょう。
さて、本日(9/11)は、片瀬クンと「はねるのトびら」の「オシャレ魔女アブandチェンジ」(2009年5月13日放送)で対決した北陽の虻川美穂子さんのお誕生日です。御目出度う御座居ます。片瀬クンが演じた事がある夏目雅子さんの命日でもあります。
(小島藺子/姫川未亜)