「行きたくない、行きたくない、ゴメンね、行ってきます!」
(「ラストクリスマス」2004年)
今回は、片瀬那奈ちゃんの出演作品でも個人的には評価が低い「ラストクリスマス」から選んでみました。此のセリフは第10話で、ニューヨークへ旅立つ事にした片瀬クン演じる藤澤律子が、色々あったもののくっついた日垣(玉木宏さん)と横断歩道越しに交わした会話です。片瀬クンのセリフだけ取り上げると「何じゃコリャ?」ですけど、実際には、日垣「律子!」律子「行きたくない」日垣「行くな!」律子「行きたくない!」日垣「行くなぁっ!!」律子「ゴメンね」日垣「行くなよ、、、」律子「行ってきます!」ってやり取りです。
「行きたくない」×2と「ゴメンね」、そして「行ってきます!」の短いセリフで、後ろ髪をひかれ捲り乍らも旅立つ切ない情感を表現するクライマックスでした。ま、その後に空港へ向かう律子は一端引き返して日垣に逢い「今度は、あたしが片思いする!」と駄目押ししてハグするんですけど、一寸蛇足だったんじゃまいか。折角の切ない場面が台無しです。
「ラストクリスマス」は、確かに其れまで片瀬那奈ちゃんが演じた事のないシリアスな恋愛ドラマでして、何と申しましても歌手活動に専念した後に満を持して「女優回帰」した記念すべき作品です。普通に「きれいなおねえさん」も難なく演じられるのだナァ、とは思いましたが、あたくしは幻滅しました。確かに普通に上手いんです。でも、ツマンナイのよさ。但し、現在の片瀬那奈が藤澤律子を演じたなら、全く評価は別になると思います。片瀬クンが「美少女H2 最後のデート」を忘れない様に、あたくしは「藤澤律子」を忘れません。「片瀬那奈は、こんなもんじゃないんだ!」と、忸怩たる思いで観ていたのです。其の大いなる危機感から、あたくしは此処を立ち上げたのですからね。
さて、本日(9/7)は、プリテンダーズのクリッシー・ハインドのお誕生日です。御目出度う御座居ます。バディ・ホリーのお誕生日ですので、キース・ムーンの命日でもあります。
(小島藺子/姫川未亜)