本日(9/4)は、仲村トオルさんのお誕生日です。御目出度う御座居ます。片瀬那奈ちゃんと共演している「氷の世界」のDVD-BOXが来月発売されますので、此の機会に11年前の初々しい片瀬クンの熱演を温故知新してみては如何でしょう。ちなみに、あたくしが好きな七海ちゃんの科白は「遅いよ、遅過ぎるよ!」です。
さて、鬼軍曹・山本小鉄が亡くなって一週間が経ちました。小鉄と云えば「ワールドプロレスリング」の解説で御馴染みですが、コムビを組んだ実況アナの中でも古舘伊知郎とのタッグが最も印象に残ります。当時は空前の新日ブームで、金曜午後8時からの中継は裏番組に「太陽にほえろ!」と「3年B組金八先生」があったにも関わらず「20%」を超える視聴率を叩き出しておりました。
8/30の「報道ステーション」では、スポーツ・コーナーで小鉄追悼のニュースが取り上げられ、古舘は涙目で小鉄とのエピソードを語りました。本日(9/4)深夜に放送された「ワールドプロレスリング」でも、冒頭で小鉄追悼のコーナーが設けられました。小鉄の遺族の意向で弔辞は前田日明が読み、出棺時には新日勢と共に前田も棺を担ぐ姿が東スポ紙面に載っています。
小鉄は多くの弟子を育成し、其れは猪木もお悔やみのコメントで言及しています。佐山、藤原、前田、高田、橋本、武藤、蝶野など、名選手は全て小鉄が育てましたし、現在のIWGP王者である真壁ですら小鉄を父同然に尊敬しています。虎ハンター・小林邦明が語る様に「新日イズムは猪木イズムではなく、小鉄イズム。僕らはみんな小鉄さんに教わってプロになった」なのです。
前田はあまりにもトンパチなので、誰も試合をやりたがらず仕方無くデビュー戦の相手は小鉄が務めました。猪木と共に新日旗揚げからのメムバーで、ライオン・マークも小鉄が考案したものです。正に新日の権化と云える存在でした。色々とありましたが、小鉄は心底「アントニオ猪木」に心酔している完全無欠の猪木信者です。解説でも「猪木さん」と呼び、猪木の技に本気で感心してしまうのが可愛いんですよ。それから猪木の勝ちを必死で擁護する様も見どころでした。
例えば、引退試合でドン・フライにコブラツイストからグランド・コブラで猪木は勝ちますが、アルティメットで鳴らしたフライ相手で古典的なコブラで勝つとのシナリオはかなり無理がありました。ところが、小鉄はですね、間髪入れずに「フルタチさん!フライは、コブラなんて喰らった事がないわけですよっ。初めて喰らったんですから、これはギブアップしてしまいます!」と断言しました。延髄斬りの当たりが浅くとも「今のはですね、チョーンとかすった感じで、実はアノ方が効くんです!」とか「右脚は当たりが浅くてかすった感じなんですけど、アレはフェイントで、左脚が当たっています!」などと懸命に解説します。
そんな小鉄の解説であたくしが好きなのは、猪木とブロディの初対決(此の対戦を実現させる為に小鉄は何度も渡米してブロディと直接交渉をした)で、場外に落ちたブロディを猪木がトップロープに登り爆撃しようとした時に云ったコトノハです。小鉄は我を忘れて「猪木さん!無理しない方がいいっ!!」と叫びました。受けたフルタチも「猪木、無理しない方がいい、無理しない方がいい」と乗ってしまいましてですね、猪木も声が聞こえたのか思い留まって普通に場外へ向かうのですけど、「無理するな」って解説は前代未聞でしょう。真剣そのもののガチ解説です。小鉄よ、永久に。
(小島藺子)