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2010年08月14日

「LOVE COMES TO EVERYONE」

コンサート・フォー・ジョージ [DVD]


え〜、久しぶりに御馴染みのビートリー噺を一席。今年は、ジョン・レノンの生誕70年&没後30年と云う事で箱が出るそうです。未発表音源も三曲収録される様ですが、う〜む、、、もっと在るじゃん!と云わざるをえない選曲ですね。ビートルズの赤盤と青盤もリマスターで出るみたいです。此れはジョージ・ハリスンが選曲した公式初ベスト盤だったので、愛着があるファンも多い様です。昨年全作品がリマスターされちゃったので、楽曲的な面白味はほとんど無いと思われます。赤盤は充分にCD壱枚に収まるのですけど、ジョージ選曲って事で迂闊に手を加えられないのでしょう。ジャケットに関してはお徳用盤の「1」とは比較にならない程に素敵ですけどね。

ビートルズがリマスターされて、次はジョンって序列なのでしょうけど、ジョンのソロは既に全作品がリマスターばかりかリミックスまでやりまくられています。今回、また敢えて出すならコビンのへっぽこリミックスは無かった事にしてもらってですね、オリジナル通りのリマスターにして頂きたいと思います。其れよりもですね、ジョージのリマスターはどーした?

ジョージのソロは未だアップル時代の「ダーク・ホース」と「ジョージ・ハリスン帝国(なんちゅー邦題!)」がリマスターされていません。昨年「Let it Roll Songs of George Harrison」なんてベスト盤が出てですね、其れにも前記二作からは選曲されていないのですよ。ま、ジョージのリマスターは「オリビアが出来た嫁なので(他意はありません)」丁寧にゆっくりと進行していますので、大丈夫だとは思えます。個人的には「赤盤青盤世代」で丁度ビートルズにハマった頃のジョージが「ダーク・ホース」と「ジョージ・ハリスン帝国」だったので、思い入れがあります。

ビートルズにはソングライターが「ジョン、ポール、ジョージ」と三人いて、初期は圧倒的にジョンが優れていました。中期にはポールが覚醒しジョンを凌いだ様に見えますが、ジョンは曲作りの手法を敢えて変えていったので、その気になれば普通の曲も書けたと思えます。そして、末期になってジョージの才能が開花しました。

「GET BACK SESSIONS」の膨大な音源を聴くと、1969年1月のジョージがソングライターとしてピークを迎えていた事実が分ります。結局はアルバム「LET IT BE」になった時に、ジョージの曲は二曲しか収録されなかったのですが、当時のジョージは毎日新曲が出来ちゃうってどーにもとまらない状態にありました。其れが翌年の三枚組でドカン!と爆裂するわけです。

壱枚はジャム・セッションなので実質的には二枚組なのですが、其れまでアルバムに多くて三曲との小僧扱いに耐え忍んだジョージが名曲ばかりの二枚組!えらいこっちゃ、えらいこっちゃ、よいよいよい、とばかりに大絶賛となりました。当時のジョンはヨーコとわけがわからない変態活動をしてましたし、ようやく出した「ジョンの魂」は名作と云われますが大衆音楽の範疇からは激しく逸脱しています。ポールは呑気なソロを出し、今でこそ傑作と云われる「RAM」も酷評されていました。挙げ句にジョンとポールは音楽作品で痴話喧嘩合戦を繰り広げます。

ジョージは、いきなりだナァで三枚組とか出さずに小出しにして行けばコンスタントにアルバムを出せたと思えます。なんとか70年代は乗り切りますが、80年代に入ると迷走し、1982年の「ゴーン・トロッポ」は当時ビートルズ・ファンからも批難されました。完全にやる気をなくして映画制作やカーレースとセレブ三昧の日々を送りますが、1987年の「クラウド・ナイン」でまさかの大復活を遂げます。結局、其れが生前最後のスタジオ盤となってしまうのですが、貯めがあれば傑作を創れる人なのですよ。そして、やはり初ソロを三枚組の箱で出したのは正解でしょう。「やる時はやる漢だっ」と未来永劫評価される偉業です。ハッキリ云いますが、当時は誰もジョージにそんな過大な期待を抱いていなかったと思います。


(小島藺子)


posted by 栗 at 09:23| FAB4 | 更新情報をチェックする