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2010年07月01日

「泣かないと決めた日」再放送 #7

泣かないと決めた日 DVD-BOX


フジテレビ 15:00〜15:57

「最後の快進撃」

片瀬那奈 as 藤田千秋


物語は終盤へ近づき、千秋サマの出番も少し増えてきました。相変わらず荒唐無稽なシナリオで「こんなのあるわけないじゃん!」な展開が続くのですが、思えば、初回で9ちゃんが入社したのが本放送時よりも先の「2010年4月」で、第6話ラストの結婚式は「2011年1月」の出来事だったので、此の作品は「近未来SFドラマ」だったのでした。当然、明日の夜に放送される「絶対泣かないと決めた日」は、更に先の未来を描いているはずですよね?そっか「SF」だったのか。

スーパーマン桐野と改心した佐野さんは、すっかり9ちゃんの味方につき、千秋サマ、栗田さん、早苗さんの苛めっ子三人組もダンダンダンと9ちゃんを見直している御様子です。其れで、梅沢部長、へび娘、西島の三人が極悪人になります。三人とも爬虫類や両生類の擬音を付けられちゃって、最早「妖怪」みたいな扱いですね。

コンペで選ばれた9ちゃんの企画を妨害しまくる西島の行動は、余りにも常軌を逸しています。クライアントとの約束をすっぽかし、逆ギレして9ちゃんを罵倒し、挙げ句に改心した振りをしてフェアの食材受注数を改竄するって、度が過ぎています。陰でコソコソやっているのでは無く、誰もが分る様に堂々と、9ちゃんを苛める為に会社に不利益な事をやりまくっています。「俺だって頑張ってるのに、9ちゃんばっか可愛がられて、悔しいから会社に損害が出てもいいから苛めちゃえ!」って、思考が幼稚過ぎます。よく、一流企業に採用されましたね。普通に考えて、西島はクビになりますよ。千秋サマたちが私情を捨てて9ちゃんに協力するのは社員なのですから当然で、其の流れを作る為に無理矢理に西島だけに悪役を押し付けてゆく「脚本家に都合のいいだけの出鱈目な展開」です。

つまり「西島に理不尽な苛めをやらせて、見兼ねた千秋サマたちが9ちゃんを救う場面を、感動的に描きたい」わけです。「感動的な救済」が最初に在って、其の為に「西島の苛め」が必要になったわけだ。此の話の脚本って全部そうで、最初に落ちが決まってて其処から遡って考えているとしか思えないんですよ。「のらくろ」の「ぎゃふん!」落ち(田河水泡先生は、一コマ目に歩いているのらくろを、最後のコマに「ぎゃふん!」と転ぶのらくろを描いて、後で間を埋めていった)なのよさ。ゆえに、重大な出来事がみんな偶然の積み重ねでしか起こらないのですよ。目的の為に手段を選ばない、形振り構わない其の身勝手なストーリー展開は、正に「へび娘、梅沢部長、西島たちの苛めにソックリ」です。

片瀬クン演じる千秋サマの見どころは、9ちゃんを助けにレストランへ訪れ、シェフが9ちゃんの企画を受ける時に、9ちゃんの肩越しで其れを見守る場面です。カメラの焦点は当然乍ら9ちゃんに合わせられ、千秋サマはピンぼけなんですけど、其の表情の変化が実に上手い!好い女優になったナァ、と惚れ惚れします。

明日は早くも最終回で本放送時には一転して絶賛した回ですが、此処までが酷過ぎたのと、最後位は褒めようって仏心を出しただけで、ツッコミどころは満載です。其れは其れとして、深夜の「プロ花」から始まり昼の「泣かない再放送最終回」そして夜には「絶対泣かないと決めた日」と三つも片瀬クンのドラマが放送されるのは、大変喜ばしい事ですね。


(小島藺子)



本放送:2010年3月9日


「泣かないと決めた日」フジテレビ公式サイト

posted by 栗 at 15:57| ACTRESS | 更新情報をチェックする