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2010年06月13日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 047「美月うらら」part 2

歌のおにいさん [DVD]


うらら姫が劇中で披露した楽曲をまとめてみました。此れは「片瀬那奈がきこえる」の番外編としても成立するリストです。市販盤DVD-BOXの特典映像で主要な楽曲をまとめて観る事が出来ますが、此処ではオンエア時に遡ってリストアップしています。


01:パピプペポン体操
(第1話〜第8話)ドラマ用オリジナル

番組内子供向け番組「みんなでうたお!パピプペポン」のオープニング曲で、制作発表でも披露され全話で流れたオリジナル楽曲です。うらら姫は、基本的には赤いベレー帽を被りピンクのセーターに可愛いサロペット姿でセンター・メインで歌い踊ります。第1話では、金色ドレス姿で氷室王子とデュエットする「健太&守が加入前のヴァージョン」もドラマ内TV画面で確認出来ます。第2話の「みなうた」生放送では氷室王子と共に白と桃色のドレス姿で歌います。氷室王子がリストラされた第3話では、新たな桃色ドレス姿でど真ん中で嬉々として歌い、在ろう事か健太を演じる天下の嵐リーダー「おーちゃん」をハリセンで殴り捲る晴れ姿が観れます。第4話からは「マカロン・キッズ」を加え、野外ライヴも披露されました。また、此の楽曲のインスト版は「鉄板少女アカネ!!」のサントラ盤同様にTVバラエティ番組などのBGMに結構頻繁に使用されています。

02:雪
(第1話)作詞:不詳(乙骨三郎?)、作曲:不詳(文部省唱歌)

氷室王子と二人でのリハーサルと、健太(猫)&守(犬)を加えた収録場面で歌われました。うらら姫は金色のドレス姿で、氷室王子とデュエットしています。よく「ゆきやこんこん」と間違って歌われますが、正しくは「こんこ=来む(来い=降れ)」です。文部省唱歌の為、作者は口外を禁じられており、不詳です。

03:桃太郎
(第1話)作詞:不詳、作曲:岡野貞一(文部省唱歌)

久しぶりに子供たちをスタジオに入れての「みなうた」収録場面で、桃太郎コスプレの氷室王子をメインにして歌われます。健太が猿で守は犬ですが、うらら姫は、なな、なんと「キジ」のコスプレで「鳥あたま」の被り物姿です。過剰な付け睫毛もしていて、一瞬、我が目を疑う格好でした。自分より目立つ子供たちを氷室王子が排除したリテイクでは、最初をうらら姫がソロで熱唱しております。其の際には、新入りの健太と守を服従させる為に、氷室王子が勝手に改竄した歌詞で歌われました。実際の歌詞も後半は♪つぶしてしまへ、鬼が島♪とか結構過激です。

04:どんぐりころころ
(第2話)作詞:青木在義、作曲:梁田 貞

金色のお姫様ドレス姿で、氷室王子とデュエットしています。健太がドングリ、守がドジョウの被り物姿で、氷室王子が健太を虐めまくる収録場面とオンエア版が流れました。また、ドングリとドジョウの被り物は物語の後半で「ジゼル」のメムバーが健太に再加入を促す際に何故か被っておりました。長いものに巻かれ捲り我関せずのうらら姫が♪ぼっちゃんいっしょにあそびましょ、うぉ〜♪とフラットしまくる歌唱は、破壊力抜群です。歌詞の意味をうらら姫が健太と守に独自の解釈で解説する場面も、爆笑を誘いました。

05:クラリネットをこわしちゃった
(第3話)訳詞:石井好子、フランス民謡

氷室王子がリストラされ、まんまとメインの「歌のおねえさん」になったうらら姫が、青いドレス姿でクラリネットを吹き乍ら歌います。第3話からは基本的にはうらら姫がど真ん中メインで、健太&守を従えたカタチで披露されます。うらら姫は健太が笑顔をみせないのに怒り、クラリネットを「プヒ〜!」と吹き鳴らし中断し、説教します。メインの「歌のおねえさん」になってからは、収録スタジオに「うらら姫のソファー」が用意され、ふんぞり返っております。

06:おおきなくりのきのしたで
(第3話)訳詞:不詳、外国曲

黒いドレス姿のうらら姫がメインで歌います。健太と守は「栗」の被り物姿です。うらら姫は、最後に♪おおきなくりのきのした、でぇえ〜♪と過剰なオペラ風歌唱を披露します。全篇を通して、うらら姫の歌唱は「高松塚歌劇団キトラ組」出身の役柄に合わせた「過剰なオペラ風」になっており、ファルセットで音程も狂いがちですが、わざとやっているのです。栄光の歌手キャリアを捨てた様な女優魂を魅せて下さいました。

07:てをたたきましょう
(第3話)補作詞:小林純一、外国曲

うらら姫は桃色のドレス姿で溌剌と歌いますが、「クラリネットをこわしちゃった」同様に笑顔をみせない健太に対して「もっとアニマル浜口みたいに笑わないとっ!」とアドバイスする名場面が在ります。氷室王子からうらら姫に政権交代し、一見何も変わっていない様に思える「みなうた」ですが、独善的な氷室王子とは違い、うらら姫は子供番組を彼女なりに深く愛していて、健太たちにキチンと指導しています。

08:やぎさん ゆうびん
(第4話)作詞:まど・みちお、作曲:團 伊玖磨

郵便配達さんのコスプレのうらら姫が、黒ヤギ(健太)、白ヤギ(守)、マカロン・キッズ、子供たちを従えてメインで歌います。男装での女らしい振り付けは、妙に色っぽいです。歌劇団出身らしい(うらら姫は娘役でしたけど)立ち居振る舞いと云えるでしょう。ちなみに「まど&團」の作品では他に「ぞうさん」が有名です。

09:七つの子
(第5話)作詞:野口雨情、作曲:本居長世

全身タイツで被り物と云う「カラスのコスプレ」でうらら姫が歌う「衝撃映像」です。第5話は美月うらら姫がメインのお話で、かつて在籍した歌劇団時代の姿も写真のみですが公開されています。質問コーナーでは黒い魔女風コスプレも披露しており、シリーズ中でも最も片瀬那奈ちゃんファンにとって愛すべき逸話でしょう。此の回から「健太の父親・光雄(小野武彦さん)」が、うらら姫を「別嬪さん」と呼び出しました。終盤での自分の居場所をみつけた「うらら姫の演説」は感動を呼びますが、其の姿は「カラス」なのです。全身タイツで頭に間抜けなカラス頭の被り物をしているのですよ。普通なら説得力など望めない状況ですが、深く心に残る名場面となりました。へんてこりんな姿で真摯に子供たちに語りかけ、感動させてしまったのです。此れは、物凄い事だと思います。野口雨情さんによる歌詞の「七つ」とは「七羽のカラスの子(そんなに多くのヒナをカラスは育てません)」でも「七才のカラス(七才のカラスは人間なら老人です)」でもなく、カラスの子に「人間の幼い七才の子供」を投影した表現の様で、親子の情愛を描いた第5話のテーマに相応しい選曲でした。

10:おすもうくまちゃん
(第6話)作詞:佐藤義美、作曲:磯部 俶

前回のカラスのコスプレで驚愕していたのは、甘かった。此の曲では守がメインの行司で歌う事になり、なな、なんと、うらら姫はクマの着ぐるみを着て健太クマと相撲を取ったのでした。結果は「うらら山関」の圧勝!やっぱ、デカイから強いです。守は人気がなく数字も最低だったので、うらら姫が行司役のメインで歌う事となりますので、壱曲で二度おいしいコスプレが拝めます。メインの行司に戻った時の満面の笑顔が、とっても愛らしいです。

11:もりのくまさん
(第7話)訳詞:馬場祥弘、アメリカ民謡

可愛らしい欧州風乙女ファッションのうらら姫が、二頭のクマ(健太&守)を従えてメインで歌います。クマの着ぐるみは「おすもうくまちゃん」の流用ですが、前回で健太と守が「青春友情バトル」を繰り広げた為に包帯姿になっています。奇抜なコスプレが多いうらら姫では最も普通な格好ですけど、思えば此れでも充分に非日常的なファッションです。此れが普通に観えてしまう程に、他のコスプレが過激だったのです。

12:犬のおまわりさん
(第8話)作詞:佐藤義美、作曲:大中 恩

「みなうた」打ち切りの危機に、ふたたびカラスの被り物姿のうらら姫が、犬のおまわりさん(健太&守)とマカロン・キッズを従えて熱唱した後で大演説をぶちかまします。其の真摯な番組を愛する志しは素晴らしいのですが、ダンダンダンと発言は意味不明になり、カラス頭で羽を羽ばたかせていては異常な光景としか見えません。此の楽曲は、第7話で木村佳乃さん演じる真鍋プロデューサーが犬の被りものをした破滅的な歌唱も聴けます。カラスのコスプレを再利用しているのは、二番の歌詞に「カラスにきいてもわからない」とあるからですが、またしてもうらら姫は健太たちに熱心に歌詞を解説し指導します。うらら姫は、常に童謡の歌詞をしっかりと熟考して歌っているのです。第5話で「歌のおねえさん」を天職と誓ったうらら姫の生真面目な生き方が、同じコスプレで再度示された演出とも云えるでしょう。

13:春よ来い
(第8話)作詞:相馬御風、作曲:弘田龍太郎

「みなうた」の最終回収録で歌われた曲で、うらら姫は御馴染みのサロペット姿で健太&守と三人で歌います。一緒に踊っていたマカロン・キッズと子供たちが「みなうた」が終る事でナーバスになり泣いてしまい中断してしまうのですが、其の子供たちの中心に居るのはブレイク直前の加藤清志郎クンでした。「みなうた」の最終回でオンエアされたヴァージョンではリテイクの「うらら姫、健太&守、マカロン・キッズ」の編成で歌われ、番組終了挨拶を挟んで「パピプペポン体操」で終了します。

14:曇りのち、快晴
(第8話)ドラマ用オリジナル主題歌

「矢野健太 starring Satoshi Ohno」名儀で発表されたドラマ主題歌は当然乍ら毎回オープニングに流れていましたが、ドラマの最終回で「みなうた」終了に納得出来なかった健太が企画した「みなうたファイナルライヴ」でのクライマックスで、健太が子供たちと一緒に熱唱する感動的な場面を演出します。子供たちがステージへ雪崩れ込んでゆく場面では、思わず涙が溢れてしまいました。此の楽曲は、片瀬那奈が美月うらら役で助演女優賞を得たザテレビジョン「ドラマアカデミー賞」2009年1月〜3月期で、ドラマソング賞を受賞しました。劇中では健太が在籍しメジャー・デビューする際にヤメさせられたバンド「ジゼル」のソースケが作曲し、健太が作詞した設定になっています。うらら姫は定番のサロペット姿でひときわ目立つダンスでサポートしております。やっぱ、デカイから目立つのよさ。尚、氷室王子がドタキャンした第二話では健太が「おもちゃのチャチャチャ」をソロで歌う物語的には重要な場面が在りますが、うらら姫は参加して居りません。また、本来はムード歌謡歌手である氷室王子のオリジナル曲は、うらら姫がうっかりカラオケ・テープを踏みつぶしてしまった為に披露されませんでした。


以上が本放送時に流れた「うらら姫関連楽曲」です。DVDに特典映像として収録されている童謡集では、オンエア版とは違うカットも挿入されております。「歌のおにいさん」に限らず、ドラマのオンエア版と映像作品版では違いがありますが、其のコアな映像版ヴァージョン違いに関してはまた別の機会に大いに語りたいと思います。

そして、此の作品の制作発表時に片瀬那奈本人から前代未聞の新情報が明かされました。其れは、彼女が「幼少時代に某子供番組に出演していた」と云う驚愕の事実だったのです。16才でデビュウとの定説が、一気に10余年もの過去へと遡ったのでした。ま、其れは本名でのモデル時代同様に「プレ・デビュウ」ですから、片瀬那奈が「片瀬那奈」になったのが16才である事に変わりは在りません。でも、流石に3才からってのには、吃驚したナァ、もう。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| ERENA | 更新情報をチェックする