出演作:『リセット(恋のゆくえ)』(読売テレビ系)
放映日:2009年1月15日(木曜日 21:00〜22:48)視聴率 9.6%
映像作品:DVD「リセット スペシャル ディレクターズカット」
(吉本 YRBN-90055)2009年4月1日発売
女優生活10周年となる2009年の片瀬那奈は「リセット」で始まりました。此の作品は現在「プロゴルファー花」が放映されている「木曜ナイトドラマ」枠で同日に始まった連続ドラマの前篇として制作された三話オムニバス形式のスペシャル・ドラマです。片瀬クンは第三話「恋のゆくえ」に主演しました。ちなみに、此れも原作はマンガです。
「未来遊園地」以来のドラマ共演となった連ドラ版の主役「アンリ」を演じるココリコ田中さんが、如何にして「アンリ」になったのかとの謎も描いたのが「恋のゆくえ」です。片瀬クン演じる「園田香織」は、田中さんが演じる「アンリ」になる前の「園田照彦」と見合い結婚した妻ですが、元カレで映画監督になった「岸本信生(忍成修吾くん:片瀬クンとの共演率が高い俳優さん)」の映画を観て「此れはあたしに捧げた作品だわ」と思ってしまいまして「前任のアンリ(津川雅彦さん)」の力で人生をリセットし、岸本についてゆく道を選び直します。
やり直した人生での岸本はうだつが上がらず映画も撮れそうにないので、香織はホステスになって生活を支えますが、ヒモになった岸本は女癖も悪く、香織はどんどん堕ちてゆくのです。そんな時に勤めるお店で園田と再会し「一緒に田舎に帰って結婚しよう」と告白され、心が揺れます。二人の仲を邪推した岸本は、園田を刺殺してしまいます。園田の妻だった「元の人生」に戻れば彼の命は救われるのですが、香織は無情にも岸本との「リセットした波瀾万丈な人生」を選択します。そして、とばっちりを受けて死んだ園田は「他人の人生をリセットさせる天使:アンリ」になるのです。
片瀬クンは、主人公の成り立ちを明かすエピソードで重要な役柄ですが、あくまでもスペシャル版のひとつにゲスト主演しただけです。なのに此の放送があった2009年1月15日に、片瀬クンは田中さんと一緒に番宣に勤しみました。お昼の「ミヤネ屋」から夕方の「リアルタイム」まで、日テレちゃんに出ずっぱりだったのです。しかも、同日の午前中にはテレ朝で「歌のおにいさん」制作発表に登場し「パピプペポン体操」を歌い踊ったのでした。余りにも天晴れな「番宣隊長」ぶりだっ。一体、何が其処まで片瀬クンを番宣へと駆り立てるのでありましょうか。
園田香織は「平凡な主婦」や「女学生」そして「生活に疲れたホステス」と、様々な姿をシリアスに演じる役どころです。此処には、二つの違った人生での正反対な生き方を見事に演じ分ける「名優:片瀬那奈」が居ます。特に「セクスィ〜部長」や「小児救命」に続いて演じたホステス役は好いですね。片瀬クンがホステスだったら、人生を捨てて通い詰めますよっ。いや、マジで。
2009年も順調なスタートを切ったと思われた片瀬那奈ですが、翌日(2009年1月16日)に始まった「歌のおにいさん」での「美月うらら姫」の登場で、いきなりだナァとレッドゾーンを超えてしまいます。「西豪寺エレナ様こそが頂点」と信じて疑わなかった「爆裂怪優路線」の高見を軽やかに超えた。僕たちは「怪優・片瀬那奈に、天辺は無し!」とまざまざと思い知らされる事となります。
(小島藺子)