2006年6月から連載して参りました「夢みる歌謡曲」も、御蔭様でマルッと四年掛けての完結を迎える事となりました。何度も中断し完走を断念しかけた時もありましたが、何とかゴールに辿り着きましたよ。ぜいはあ、、、
此の連載は、元々「COPY CONTROL」の日本語ロックを考察するカテゴリ「ONDO」で始めまして、第1章から第6章までは「如何にして片瀬那奈音源の魅力を啓蒙するか?」と試行錯誤し、あえて明らかに失敗作だったカヴァー企画盤「Extended」の源流を辿りました。枝葉の部分が思いの外に受けてしまって困惑しちゃった時期もあったのですけど、本来の目的は「片瀬那奈全曲解説」でしたので、天下の「THE BEATLES 全曲解説」で試運転をし感触を掴んだ段階で本題の「第那奈章:片瀬那奈がきこえる」へと向かいました。本題に入るまで三年以上もフェイクをやらかしたわけです。余りにも長いイントロでした。ゆえに、番外編も含めれば150記事近い長尺な連載で「片瀬那奈がきこえる」は三分の二以上をも占めるメインとなっております。
技量不足で書き切れなかったと思える点も多々ありますし、片瀬那奈ちゃんの音楽活動が完全に終了したとも思ってはおりません。2008年の「bash」に関する項も書き添えたものの此の連載で僕が考察したのは、2002年〜2005年に起きた出来事です。全曲解説である「片瀬那奈がきこえる」では、当時に「月刊・未亜」や「公式BBS」などで書いた文章も多く焼き直して「リアルタイムでの体験記」に近いカタチを目指しました。僕たちがリアルに体感した「歌手・片瀬那奈」を、どうしても記録したかったのです。
そもそも僕が「COPY CONTROL」を始めたのは、当時未だ那奈ちゃんが歌手だった時代で「片瀬那奈音源を後世に遺したい!」との衝動からでした。其処から発展して此の「the diary of nana katase」が在ります。「歌手・片瀬那奈」は、当時を体感したファンにとって永遠に記憶される彼女のキャリアに於ける大いなる金字塔のひとつです。でも、其の記録は皆無に等しかった。かつては公式サイトにも歌手時代の実演記録が記されておりましたが、抹消されてしまいました。全く以て理不尽な事です。ならば、僕たちファンがを記録するしか道はないのです。
片瀬那奈に限らず、多くの芸術家の足跡を記録したのは彼等のファンでした。「確かに、片瀬那奈は歌手だった」との事実を伝えるのは、今や遺された音源と映像だけです。其れは作品としてはエバーグリーンですが、紐解くテキストも必要だと思い真摯に書きました。片瀬那奈音源に関して此処まで深く考察したテキストは、唯一無二だと自負してもおります。書籍化する際にはメインである「片瀬那奈がきこえる」を前面に出して、其処までのイントロはそれぞれの楽曲解説に加える感じで大幅に改稿します。ま、いつになるか分りませんけど、気長に待っていて下さいね。
連載を通じて、多くの「片瀬那奈ちゃんファン同志」に助けて頂きました。アンテツ氏を始め、みんなに改めて感謝致します。特に、牧野潮氏には「コアな片瀬音源マニア同志」として多大な恩恵を受けました。うっぴー☆ありがとう。メディアでは「マブ論」などで一貫して片瀬音源を支持し続けておられる宇多丸氏の考察が大きな励みになりました。同志よ、ありがとう。
そして、あの日あの時あの場所で、僕たちの前で歌い踊ってくれた片瀬那奈ちゃんと、其の晴れ姿を僕たちと共に見守っていた小島敦子さんに、此の稚拙な文章を捧げます。またいつか、那奈ちゃんが歌う日を祈願して「夢みる歌謡曲」、これにて、一巻の終わりです。ご清聴、有難う御座居ました。
(全執筆:小島藺子/姫川未亜、2002-12〜2010-6)
「夢みる歌謡曲」
またいつかお逢いしましょう。
「Shine !」
またいつかお逢いしましょう。
「Shine !」