Lyrics:Shigeo , Katase Nana
Music:Shigeo
品番:BVCR-18162/3、BVCR-14047(アルバム「RETURNS」8)
発売日:2008年11月26日
シングル集「Reloaded」発売から三年半、最後の実演(「PIANO GANG STA☆ Vol.11 GIGZOO FINAL」)から約四年、新録盤としてなら「EXTENDED」から四年半、そして、オリジナルの新曲としては五年振りとなる「bash」はSBKのアルバムへのゲスト参加として実現しました。そうです、其の通りです。歌手・片瀬那奈は壱曲限定ながら堂々と復活を遂げたのでした。スケボーキングにとっても四年振りの復活作であるからこそ「RETURNS」なのですが、僕たち「カタセメイニア」にとっては「歌手・片瀬那奈の凱旋」としての意味の方が断然大きかったのです。
歌手としてのブランクは「新曲に関しての五年」と考えるべきだと僕は思うのですが、大甘に見ても「三年半」です。然し乍ら、其処に提示されたのは「Necessary / Every ***」のつづきでした。一体、五年の空白は何だったのか?と思える程に、片瀬那奈の音楽は伝説の「TELEPATHY SESSIONS」時代に立ち返り更なる進化を遂げていました。此の企画は、SBKのShigeoサンと片瀬クンが遊び仲間ゆえに決まった様なのですが、共作した彼は片瀬那奈の音楽を好く理解して居て、実にツボを捉えた楽曲に仕上がっています。
何よりも、一聴して「片瀬那奈の音楽だ」と認識出来てしまうのが素晴らしい。これぞ「featuring」と呼ぶべきでしょう。確かなオリジナリティが、片瀬那奈の音楽には在るのです。五年経って、ようやく時代が片瀬那奈に追いついたのかもしれません。こんな新曲をぶちかまされたら、壱曲限定じゃ満足出来ませんよ。ま、片瀬クンは云ったら聞かないので、本当に壱曲しかやらなかったわけだが。
公的に発表されるスパンが長くとも、片瀬那奈の音楽は揺るぎなかった。カヴァー企画が片瀬那奈の最後の歌にならなかっただけでも、僕は嬉しかった。五年も待った新曲を熱狂的にヘビロしたなんて経験は、僕は人生で二回しか在りません。最初は1980年の「スターティング・オーバー」って曲で、二度目が此の「bash」です。(そー云えば、ジョンも隠居前はカヴァー盤とベスト盤を出したんだよナァ。ま、片瀬クンの場合は引退したんじゃなくって女優に戻ったのですけどね。)
僕たちは、ふたたび姫様の気が向くのを待つしかなさそうです。きっと、またいつか歌ってくれますよ。僕らは、此の時まで五年も待ち続けたんです。幾らでも、待ちますとも。
(小島藺子/姫川未亜)