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2010年06月03日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#104:「DJ:NANA」其の後

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片瀬那奈の公的な音楽活動は、前述の通りに実演は2004年12月25日(「PIANO GANG STA☆ Vol.11 GIGZOO FINAL」)で、音盤は片瀬那奈名儀としては2005年3月2日発売の「Reloaded」で終りました。其れから三年半後の2008年秋に「久しぶりに歌っちゃうぞ」と復活するまで、女優に復帰し専念します。其の軌跡は「怪優・片瀬那奈・進化論」で詳述しました。

次項で語る「bash」が発売されるのは2008年11月26日で、当時の新聞などでも「片瀬那奈が3年ぶりに歌手復帰」と報じられましたが、其れは「Reloaded」からの三年半を指しての事です。然し乍ら、新作と云う観点に立てば2004年4月21日発売の「EXTENDED」以来四年半ぶりですし、其れがカヴァー企画であった為に純然たるオリジナル楽曲の発表となると2003年10月16日発売の「Necessary / Every ***」以来になるのです。其の間、なな、なんと「五年」です。

2004年秋に女優回帰してから着実に成長した片瀬那奈は、2006年11月7日に「So close, 7」を立ち上げてデザイナーとしても本格的に活動します。(其れ以前にも「Shine」の衣装をデザインしたりファンへ手書きのキャップを販売したりとデザイン部門への意欲を見せていました。)そして2007年には初舞台も踏み、充実した女優道を歩んでおりました。

但し、短く考えても三年半もの間に片瀬那奈が何も音楽活動をしていなかったとは、俄に信じられる話ではないでしょう。どうやら、公的な音楽活動が終った後にも片瀬那奈は密かに音楽を続けていた様です。シンセサイザーを新調したりギターを始めたりとの情報は、本人から知らされておりました。でも、其れはプレイベートな趣味としての活動と云えます。

さて、そこで「DJ:NANA」ですよ。公的に「DJ:NANA」が降臨したのは、2004年2月と3月の「NANA KATASE WEEKEND FEVER 777 Vol.1〜3」の三度きりでした。ところが、其の後も「DJ:NANA を観た!」との目撃談がネット上などで飛び交います。具体的な場所と時間ばかりか写真までアップされた事もありました。片瀬那奈は継続的に「DJ:NANA」としての活動も行っている様子です。それは限られた仲間内のパーティーなどでの事で、事前告知もないサプライズ演出が多く、プライベートな活動だとも思われますが、観衆を前にして行っている事に変わりは在りません。

そもそも完全なる業界人のみの場で行われているのならば、ブログなんかにうっかり書いたりしないわけですよ。例えば「ドライブ中に車を止めて休憩してたら、片瀬那奈ちゃんが車を運転してるのを見ちゃいました」とか「こないだクラブで遊んでたら、片瀬那奈ちゃんが踊ってました」とかの目撃談はプライベートです。でも「知り合いのスタイリストさんに誘われてパーティーに行ったら、片瀬那奈ちゃんがDJをやっていて吃驚しました」となると「其れって、パフォーマンスなんじゃまいか?」とも思えます。

いつなんどき、突然に「久しぶりに回しちゃうぞ」とばかりに、僕たちの目前に再び「DJ:NANA」が降臨しないとは限りません。その時は、アノ晩の名古屋で「cafe abime」の常連さん達が「DJ:NANA」の登場を事前に知らず呆然と立ち尽くした様に、暫し奇妙な空間が出現するでしょう。アノ時、僕らは「DJ:NANA」の後ろに居て、高見からダンスフロアを見ていた。其れで分ったのは「きっとvelfarreでの僕たちも、俯瞰すればこうなっていたのだろう」って事でした。何故なら、其れは、特上のハプニングだったからです。「DJ:NANA」は、今でも存在します。決して、都市伝説ではありません。


(小島藺子)


posted by 栗 at 00:07| YUMEKAYO | 更新情報をチェックする