nana.812.png

2010年05月13日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 019「豊原みどり」

芸能生活40周年記念


 出演作:『熟年離婚』全9話(テレビ朝日系)
 放映日:2005年10月13日〜12月8日(毎週木曜日 21:00〜21:54、初回15分拡大版)
     平均視聴率 19.2%


ネット配信映画とスペシャル・ドラマでの二つの主演作を経て、2005年10月期の連続ドラマにも片瀬クンはレギュラー出演します。此の「熟年離婚」は主演が渡哲也さんで、其の他の配役をみても完全なる「石原軍団ドラマ」でした。高視聴率を絶対待望されるドラマです。片瀬クンが演じた「豊原みどり」は渡さん演じる「豊原幸太郎」の次女ですから、天下の渡哲也とガチで共演しなければならない役どころでした。いやぁ〜、ワクワクしますねっ。

末娘のみどりは父親のコネで入社した会社で働くOLですが、恋人のバンドマンにゾッコンで、彼のバンド活動を金銭面も含めて全面支援しています。定年退職した夜に突然に妻・洋子(松坂慶子さん)から離婚を切り出された父親の幸太郎は、家を出る洋子の代わりに家事にトライし、うっかりみどりの部屋を掃除して恋人の存在を知り、更に帰宅したみどりのバッグからコンドームを発見し激怒します。みどりは当然乍ら「娘にだってプライバシーはあるのよっ、お父さん、最低!」と強く反発します。挙げ句に、みどりは妊娠していたのです。すぐさま幸太郎が家族を前にして、いきなり「みどりが妊娠したっ」と云い放つのは如何なものか?なんて思ったら此のドラマには付き合えません。幸太郎は、みどりの恋人・敦也(石原軍団の舎弟、渡邉邦門クン)を全く信用出来ないものの娘の為に何とかしようとするのですが、見事に空転しまくるのでした。

長女の律子(高島礼子さん)や長男の俊介(21世紀の裕次郎:徳重聡クン)もそれぞれ大きな問題を抱えていて、幸太郎お父さんは自分の離婚問題や子供達の難題などで悩みまくり孤軍奮闘します。様々なトラブルが「これでもかぁ〜、これでもかっ」と起こり捲る中で、みどりは煮え切らない敦也に見切りを付け、彼とは別れて生まれてくる子供は自分一人で育てる決心をするのでした。「お父さん、好きな人と別れるって、辛いことだね、、、」と泣き崩れる愛娘みどりを見た幸太郎はプライドをかなぐり捨て、敦也に頭を下げて「此の通りだっ、みどりと生まれてくる子供の事も考えてはくれないか」と嘆願するのですが、其の場に駆けつけたみどりは「お父さん、もういいよ」と敦也に別れを告げ、帰り道で倒れてしまうのでした、、、。

てな感じで終盤まで救い様の無い展開がつづくのですが、入院したみどりを見舞いに来た敦也は唐突に「俺はみどりを愛してるっ(キリッ!)」と変貌し、メジャー・デビューの話を反故にしてまで愛するみどりを選び、挙げ句の果てに「君の才能は捨て難いから結婚して子供が出来てもいいよ、契約しましょ」と手のひらを返されてプロへの道も開かれ「みどりさんも子供も俺に任せて下さいっ、団長!」と宣言し、団長もニンマリって大団円になってしまうのです。他の問題も全部すっかり解決しちゃって、めでたしめでたしってトンデモな最終回を迎えます。みどりちゃんは妊婦になっちゃってまして、おなかが大きな片瀬クンなんて初めて観ましたので「ファンには衝撃映像でしたよっ」てか、なんちゅー話なのよさ?ってツッコミどころが満載なので、DVD化されていないのが残念です。未亜たん入魂の「片瀬クンだけヴァージョン編集版DVD」で観直しただけでも、怪作だと断言出来ます。何もかもが「こんなの、あるわけないじゃん!」なのよさ。

関東では何度も20%超えを記録し平均でも19.2%と高視聴率でしたが、関西での人気が更に物凄く平均20%超えどころか最終回は30%を叩き出しました。制作者側はシリアスな作品のつもりだったのでしょうけど、個人的には爆笑しながら観ていたドラマです。片瀬クンの演技に関しては平均点以上をクリアしているものの、代表作と呼べる程ではなかったと思います。とは云え、研音主導作品ではない場に単身乗り込んで、並みいる豪華キャストの中でも存在感を遺したのですから、大いに評価出来るでしょう。確実に片瀬クンは、益々デカくなっていました。

てか、敦也の歌が物凄いっすね。「いい曲だねぇ〜、このまま、デビュー・シングルでイケルよ」とかオーデションで云われてる場面で、呑んでた酒を吹きましたよ。悪い事は云わないから、みどりちゃん、別れた方が好いよ。

敦也クンには、音楽的才能は欠片もないです。(キッパリ)


(小島藺子)


posted by 栗 at 00:07| ERENA | 更新情報をチェックする