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2010年05月11日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
中入りの陸:「2004」

EXTENDED (CCCD)


2004年は、片瀬那奈歴に於いて最も激動の時です。此の年の始めには、間違いなく片瀬那奈は歌手でした。冠イベントの「777」を開始してステージとDJを披露し、同時進行でカヴァー企画の「Extended」セッションを連続リリースしていました。ところが、7月の実演を最後に公的な音楽活動は途絶えます。

翌8月に「10月期『月9』ドラマで片瀬那奈が女優回帰!」との衝撃情報が明かされます。カヴァー路線は明らかに失敗だと感じていましたし、そもそもアイドル女優としての那奈ちゃんを好きになったのですから「女優回帰」は歓迎すべき事です。でも、僕たちは二年間も歌手としての那奈ちゃんを追い続け、其の新たな魅力の虜にもなっていました。

「歌手時代を経た片瀬那奈が再び演じる」のに過大な期待を寄せずにいられないのは、ファンとしては当然でしょう。復帰作は「月9」のレギュラーです。先を急げば翌2005年の1月期「月9」にもゲスト出演乍ら片瀬は連投します。申し分の無い復帰の舞台が整っていました。

なのに、僕は落胆した。復帰作の「ラストクリスマス」を観て、我が目を疑いました。二年半の不在はドラマ界に於いて、すっかり片瀬那奈を忘れ去るには充分すぎました。女優をつづけていれば片瀬が座っていたはずのポジションには、もう既に代わりがいました。第一期女優時代の積み重ねは無かった事になり、片瀬那奈は壱から出直すしかなかったのです。

其れでも、片瀬の歩んだ道は決して無駄ではありませんでした。おそらく、歌手活動に専念した「女優としては一見まわり道」と思えた期間が無ければ、其の後の「怪優・片瀬那奈」はいません。でも、其れは時が経って振り返り解った事です。2004年の終わりに、僕は只只、悔しかった。クリスマスに奇跡の復活を遂げた「歌手・片瀬那奈」最後の勇姿を観て、心の底から「那奈ちゃん、女優なんかいいから歌手をつづけてくれよ!」と叫びました。藤澤律子よりも「Shine」を歌った那奈ちゃんの方が、圧倒的に輝いていた。「次のライヴはいつですか?」と訊いたら、那奈ちゃんは申し訳なさそうに「それは、こちらに訊いて」と青うにょ師匠を観た。「なるほどね、もう歌手活動は無いんだナ、、、」と思うしかなかった。夢は終りました。

僕たちは、またしても片瀬那奈に置き去りにされたのです。


(小島藺子/姫川未亜)


posted by 栗 at 00:07| ERENA | 更新情報をチェックする