
2001年3月14日、当時19才の片瀬那奈は「三代目きれいなおねえさん」を襲名しました。2010年の現在に至るまで片瀬那奈の代名詞のひとつとなった「きれいなおねえさん」が誕生したのが2001年です。そして、片瀬那奈が三代目だったのは翌2002年までの二年間に過ぎなかったのですが「片瀬那奈=きれいなおねえさん」は、永遠不滅の呼称として定着します。其れは「三代目きれいなおねえさん」こそが、片瀬那奈にとって初めての大ヒット作品だったからでしょう。
例えば、サー・ポール・マッカートニーさんは還暦を超えた現在でも堂々と若かりし日に書いた「YESTERDAY」を実演します。アノ天下無敵のマドンナさんですら、彼女を四半世紀以上も前の初期に有名にした「LIKE A VIRGIN」をセットリストから外せないのです。アーティストが世間に認知された最初の印象は、どんなに彼等が成長しても決して忘れられない宝です。一時期、大ファンで在る僕は「一体、世の中はいつまで那奈ちゃんを『きれいなおねえさん』としか認識しないのだっ」と大いに憤りを感じていました。でも、其れは間違いだった。那奈ちゃんは永遠の「きれいなおねえさん」なのです。歴代の「きれいなおねえさん」で、其の看板を守り続けているのは三代目だけなのです。
2010年の現在でも、TVトーク番組やトークショーの場で片瀬那奈ちゃんは「水着キャンギャル出身」も「きれいなおねえさん」も堂々と履歴として何恥じる事無く明かし、当時のエピソードを披露します。本人にとって屈辱的な出来映えだった「最後のデート」がデビュウ作だった事実も、決して黒歴史にはしません。僕たちファンは其の全てをリアルに体感し、其の都度に心底熱狂したのではなかったのか。ファンが片瀬那奈の歴史を全肯定せずに誰がする?永遠の「きれいなおねえさん」上等!と僕たちファンこそが高らかに誇るべきなのです。ビートルズのエセマニアが超有名曲である「YESTERDAY」や「LET IT BE」などを蚊帳の外に置くが如き「愚」を犯してはなりませんよっ。ぜいはあ、、、
「きれいなおねえさん」になった2001年の片瀬那奈は、ドラマでも「柚木さくら」と「有森みさと」と云う魅力的なキャラクターを見事に演じました。正に順風満帆、高校を卒業した18才からは実家を出て愛犬マロンも飼い始めました。多忙な仕事に追われ乍らも、若き十代の片瀬那奈は青春を満喫していたのでしょう。そして、若干19才での三代目襲名にマスメディアが飛びつかないわけがなかった。
2001年11月7日、片瀬那奈が二十歳の誕生日を迎えた記念すべき日に、彼女は初めてのスキャンダル写真を撮られます。其れは因縁の「FRIDAY」誌に掲載されますが、後の展開を考えると「FRIDAY」はもっとトンデモなネタを持って居たわけで、、、。でも、当時の那奈ちゃんはアイドルですから、充分に衝撃的な報道でした。更にほとぼりが冷め掛かった翌2002年春には「FLASH」誌で別のスキャンダルが報じられます。「出る杭は打たれる」を絵に書いた様な展開にファンはヤキモキするのですが、当の片瀬那奈本人はもっと上手でした。
来るべき2002年に、僕たちは本当に「あっ。と驚くタメゴロー」になるのです。些細な醜聞など、片瀬那奈の変貌の前には「屁の河童!アンタ河童を信じるかい?あたいは信じるふみかだよっ」となってしまう「劇的な時」が始まろうとしていました。
(小島藺子/姫川未亜)