出演作:『できちゃった結婚』全11話(関西テレビ、フジテレビ系)
放映日:2001年7月2日〜9月10日(毎週月曜日 21:00〜21:54、初回拡大版 21:00〜22:09)
平均視聴率 15.9%
映像作品:ヴィデオ「できちゃった結婚」1〜4
(フジテレビ PCVC31142〜31145)2001年12月5日発売
DVD「できちゃった結婚 DVD BOX」
(エイベックス・トラックス AVBD-34031/6)2001年12月12日発売
前作「2001年のおとこ運」で大いに其の魅力を開花させた片瀬那奈ちゃんは、あっ。と驚く「三代目きれいなおねえさん襲名」で一躍お茶の間の人気者になり、壱年半振りに「月9」に準主役待遇で登板します。正に我が世の春と云った時を、19才の片瀬那奈ちゃんは迎えておりました。
片瀬クンが演じた「有森みさと」は、主人公「小谷チヨ(広末涼子さん)」のデパガ同僚で親友です。チヨの姉「小谷亜紀(石田ゆり子さん)」と三人娘を形成し、チヨの相手役「隆之介(竹野内豊さん)」其の後輩の「巧(妻夫木聡くん:当然乍ら、アンテツの「いつか殴る手帳」掲載俳優)」そして亜紀の恋人「栄太郎(阿部寛さん)」の男子トリオに加え、できちゃったチヨの主治医で亜紀に一目惚れする「小松原先生(エロ男爵)」やチヨの厳格な父親「一徹ちゃん(世界のサニー千葉)」などと共にドタバタのラヴ・コメディを展開します。
狙った獲物は逃がさない魔性の女と称される「みさと」は、初回のサイパン旅行で出逢った巧クンに狙いを定め、其の魔性パワー全開で積極果敢に迫りまくるのです。いきなりだナァの眩し過ぎる黒ビキニ姿や胸元を強調した衣装での誘惑シーンに、那奈ヲタの心はブッキー以上に突き動かされたものでした。されど、肝心の相手役「巧クン」はおじいさんの遺言を厳守する九州男児で、みさとチャンの誘惑に負けまいと逃げまくるのです。其れに感化されたみさとチャンが純愛に目覚め清い交際を求めた途端に、巧クンの気持ちが昂り逆に追いかけてはスカされ捲ると云う「サイド・ストーリー」が、主人公二人の「できちゃった結婚」と同時進行で描かれてゆきます。
三人娘での「異常に腰の位置が片瀬クンだけ遥かに上」な図や、阿部ちゃん、エロ男爵、チバちゃんとのタイマン共演場面など、見どころは満載の楽しいドラマです。第一期女優時代の作品では、最も「セクスィ〜」な役どころでもありますが、前作で手応えを得た「憎み切れない可愛さを持つ明るく気の強い爆弾娘」な路線をより確立した作品と云えるでしょう。実際には「有森みさとの出演場面」は、全11話で合計しても「打率1割」の壱時間半弱しか在りませんが、其のインパクトは強打者並みに絶大でした。其の辺は、矢張り「月9」ブランドゆえでしょうし、同時進行で流れていた「三代目きれいなおねえさん」の威光も在ったと思います。今度の「きれいなおねえさん」は「おもしろいおねえさん」でもあるとの印象が伝わり、後の怪優路線へ繋がるコミカルな演技が際立って来ました。特に「憧れのエロ男爵」と初めてガチで絡んだ名場面での気合いの入り方は尋常では無く、「ブラボー!ブラボー!あたし小松原先生のファンになりましたっ」と讃える眼差しは、公私混同も在ったのか、完全にイッてます。
2001年の夏、片瀬那奈ちゃんの未来は輝いていました。僕らは来るべき主演作への階段を着実に登る那奈ちゃんを、何の疑いもなく信じて応援していました。其の期待は、翌2002年に根底から覆されてしまいます。那奈ヲタ試練の時は、刻一刻と近づいていました。
(小島藺子/姫川未亜)