出演作:『2001年のおとこ運』全11話(関西テレビ、フジテレビ系)
放映日:2001年1月9日〜3月20日
(毎週火曜日 22:00〜22:54、初回・最終回拡大版 22:10〜23:14)
平均視聴率 14.0%
2001年は、後の「コメディエンヌ・片瀬那奈」を大いに予感させる時です。役柄も完全なる「準主役」のポジションに就くのが「当たり前田の長州顔面蹴り!」でガチになっていました。余談ですが、大昔の「タモリ倶楽部」で「怖い映像ランキング」って企画が在って、スプラッター映像が犇めく上位に「前田のハイキック」ってのがランクインしていたのは笑いました。底抜け脱線(そー云えばかつて前田が「あいつのプロレスは底抜け脱線ゲームや!」と云い放った大仁田は、村井ひろみが好きなレスラーだったナァ、、、)は兎も角として、21世紀初頭に片瀬那奈ちゃんが演じたのは「柚木さくら」でした。
第一期女優時代(1999年3月〜2002年3月)に片瀬那奈ちゃんが演じた12人の内で、最も好きなのが此の「柚木さくら」です。ズバリ云って、此の作品を観て「那奈ちゃんゾッコン☆LOVE」になりました。ゆえに、2010年の現在まで50人を超える那奈ちゃんが演じた役柄の中でも、確実にベスト5以内にランキングされるべき存在です。
「柚木さくら」は、菅野美穂さん演じる主人公「柚木あたる」の妹で、プー太郎な上にオッサンの伊倉(吹越満さん:アンテツの「いつか殴る手帳」に問答無用で名前が記されました)と不倫関係にあるハチャメチャな役どころなのですが、どーにもこーにも愛らしく憎み切れない魅力に溢れています。此の役をモノにした那奈ちゃんは、つづく「できちゃった結婚(2001)」や「プリティガール(2002)」でも基本的には同じ路線を演じます。
物語は「あたる」を中心として、幼なじみの元カレ「カヲル(ファッキンライト先生)」や其の憧れのひと「洋子ムシ(山本未来さん)」、謎めいた男「天羽(田辺誠一さん)」、そして「伊倉」と「さくら」等がグチャグチャな「プチ多角関係」を織りなすラヴ・コメディです。さくらも、伊倉、カヲル、天羽と揺れ動くのですが、矢張り不倫相手(実は離婚していた!)伊倉を一途に想う健気さが観る者に大いに伝わります。膨れっ面や笑顔などの多彩な表情が、ウルトラ「可愛い」のです。此れは惚れますよっ。「あたる&さくら」の父親が泉谷しげるサンってのも、絶妙なキャスティングです。「あたる&さくら」は身長差もかなり在るし性格も全く違うのですが、本物の姉妹に見える程に息が合っています。菅ちゃんの名演に堂々と渡り合う姿に、那奈ちゃんが遂に当たり役に巡り会ったと思いました。
残念乍ら、此の「第一期女優時代最高傑作」と呼ぶべき「2001年のおとこ運」は映像作品化されていません。其れでも以前は再放送されて観れる機会も在ったのですが、「悪夢の2009年夏」に「遠い夏」と同様に「ほぼ永久封印作品」となりました。あたくしを含めたファンは、録画した映像を持っています。されど、未だ知らぬ方々が「柚木さくら」に出逢う機会は失われたのです。片瀬那奈ちゃんには、何の非も在りません。てかさ、あたくし「カヲル」って役も凄く好きなんですよ。「あたる、カヲル、さくら」が三人で炬燵で会話する場面が多いのだけど、とっても好い感じなんです。在らぬ噂が立てられたのも宜なるかな、と思える程に仲が好さ気な三人が居ます。やっぱ魅力在るよ、ビューネくん。勿体なかったナァ、、、。
そして、作品に罪は無いのです。「蘇れ!柚木さくら」と叫びたいっ。
(小島藺子/姫川未亜)