出演作:『新宿暴走救急隊』(日本テレビ、フジテレビ系)
放映日:2000年10月14日〜12月16日(毎週土曜日 21:00〜21:54)平均視聴率 14.3%
映像作品:ヴィデオ「新宿暴走救急隊」1〜4
(バップ VPVX-66843〜66846)2001年7月21日発売
20世紀最後を飾った「新宿暴走救急隊」は、ロンドンブーツ1号2号初主演連続ドラマで、片瀬那奈ちゃんにとって初めてのコメディ風味の作品でした。作品自体は、主演のロンブーが吉本の意向で無理矢理に嫌々やらされていたのが大いに伝わる出来映えで、主題歌もロンブーが担当した典型的な「お笑いアイドル・ドラマ」です。
片瀬那奈ちゃんが演じる「村井ひろみ」は、主役二人と同じ新宿西消防救急隊員で、轟五郎(ロンブー敦さん)と郷秀樹(ロンブー亮さん)が出動する際に乗る救急車の運転手も務める役どころで、群像劇に於いてエンドロールの最初に堂々と名前が出る立場での抜擢でした。ひろみは、運転中に五郎のセクハラ発言に激高し大声で叱責する余り運転をミスってガードレール等にあわや激突か?となりアップで絶叫したりもしますが、向上心と正義感に溢れる真面目な救急隊員です。
其れまでの基本的にはシリアス路線でも片瀬那奈ちゃんの表情の豊かさは垣間見れたのですが、此処ではコメディタッチな展開ゆえに其の大仰でマンガチックな顔芸の発芽が大いに感じられます。二つに結わえた髪型がとっても可愛らしく、第八話ではお見合いして真っ赤な振り袖姿を披露したり(肝心のお見合いは、相手が下着マニアの変質者と判明し頓挫します)、第九話では設定上で得意技とする空手で悪漢どもを蹴散らしたりもしますが、基本的には「いつも救急車を豪快に運転し絶叫している印象」が強く残ります。主役であるロンブーのベタベタな演技ゆえなのか、相手をする後輩なのにエラソー(先輩を「ゴロー!」と呼び捨て)な「村井ひろみ」がとても頼もしく映るのです。壱話完結のストーリーでのサブキャラですので出番は其れ程多くはありませんが、元気溌剌な那奈ちゃんが楽しめる作品です。
ヒロインが上原多香子ちゃん、挿入歌を歌うのがhiroちゃん、第那奈話のゲストが今井絵里子ちゃんと、絵に書いた様な「SPEED 疑似再結成」など、如何にも「日テレ土曜ドラマ」らしいお気楽な演出も楽しめます。レギュラーの看護婦チームには、梨花さん、後藤理沙ちゃん、矢沢心ちゃん等の綺麗どころも揃っております。毎回のゲストも無駄に豪華なのですが、何故か小川直也が三回もノコノコと出て来やがります。しかも、小川直也本人役です。ロンブーなんか比べものにならない程に、演技がスットコドッコイです。本人役なんだから普通にしてれば好いだけなのに、無理に演技しようとして空転しまくっています。そんなこんなで、矢鱈と「那奈ちゃん、随分と演技が上手くなったナァ」と錯覚したドラマでした。
(姫川未亜)