2004年5月30日@大同工業大学(名古屋)
セット・リスト
01. Change this World(銀のレザー)
02. TELEPATHY
03. GALAXY
04. Babe-Huge remix(ダンサーズ・パート)
05. 木枯しに抱かれて(黒のコート)
06. 禁断のテレパシー
07. ミ・アモーレ (黄色のミニ)
08. 淋しい熱帯魚
09. C-Girl(デニムのビキニ、スカイブルーのバンダナ、フリルversion)
アンコール
10. Necessary(この曲なら衣装は分かりますね?)
ミニカヴァーアルバム「Extended」を発表した片瀬は、発売日(2004年4月21日)に「首都圏7カ所のRADIO局をアポなしジャック」と云う前代未聞の暴挙を敢行します。常識的に考えて、本当にガチでアポも取らずにやらかしたとは思えませんが、実際に七つのラジオ局に片瀬は出陣しました。お付きのシュガーちゃん達は「Extendedの青い法被姿で電車移動」をして、「ガチ」モードの演出に貢献しています。各局で壱曲ずつ被らずに「Extended」からの曲を流したのですから、まあ「プロレスじゃないか」だったのでしょう。重要なのは実行した事実です。其れで「777」と連動されれば願ったり叶ったりでしたが、残念乍ら「777」は四月から開催されなくなってしまったのです。
片瀬那奈が再び実演活動を行ったのは、2004年5月4日の「ORC200 11周年サンクスフェスタ(@大阪)」でした。其処で初めて「Extended」以後のセットが公開されます。僕は仕事で不参加でしたが、参加した同志諸君からの報告で「今までとは違ったライヴだった」との印象は受けました。そして迎えたのが大同工業大学での学祭ライヴです。
多くの同志が早朝から現場に集い、リハーサルから見学していました。僕は敢えてリハが終了する頃に名古屋に着く様に出掛けたのです。屋外の会場ですから、早目に行けばリハーサルを見れてしまう事が懸念されたので、そうしました。「Extended」以後の実演を「本番」で体感したいとの思いが在ったのです。
最前列中央は「那奈ヲタ」で占拠されました。当日は颱風が襲来し雨天確実と予報されて居たので全員雨合羽を持参して居ましたが「晴れおんな」の那奈ちゃんは颱風さえも吹き飛ばし雨の心配は杞憂になる中、現場は夕刻が近づき暗くなって来ました。
此の日は前座としてチアガールの発表会などもステージで行われていましたが、事実上は片瀬那奈にとって二度目の単独ライヴでした。ゆえに、其のセットはフルサイズでアンコールにも応えました。前半は御馴染みの銀色のレザーで登場し「TELEPATHY」時代の代表曲を披露します。そして「Babe-Huge remix」でのダンサーのコーナーを挟んで、新たな演出が始まりました。
大阪での実演で初披露された「Extended」コーナーは、那奈曲入りのミニアルバムから五曲をも連発するものでした。しかも、其の間に二度も早着替えをする驚きの展開でした。其の全貌は、残念乍ら如何なるカタチでも記録されて居ません。映像として遺ったのは「ミ・アモーレ」の衣装で歌う同曲と「淋しい熱帯魚」だけです。実際には、片瀬は「銀河鉄道999」のメーテルを想起させる黒いロング・コートで現れ「木枯しに抱かれて」と「禁断のテレパシー」を歌い(此の日の「禁断のテレパシー」では歌詞を忘れ絶句し、演奏オケの片瀬によるコーラスだけが鳴り響くと云う失態を演じました)、間髪入れずにコートを脱ぎ「ミ・アモーレ」の黄色のミニ衣装に早変わりし「ミ・アモーレ」と「淋しい熱帯魚」を歌い踊ったのです。更に、一瞬にして着替えて「C-Girl」へと繋ぎました。
「C-Girl」での片瀬の衣装は、当時の「片瀬那奈」史観を総括する様な刺激的なスタイリングでした。デニムのビキニ姿で青いバンダナを振り回す那奈ちゃんは「グラビア・アイドルでアイドル女優でアイドル歌手」の「僕らの那奈ちゃん」そのものでした。僕らは狂喜乱舞し、那奈ちゃんと一緒に各々用意した青いタオルを振り回し踊った。伝説の「カタセ」&「那奈ちゃん」コールに応え再登場した片瀬那奈は「Necessary」スタイルに変わって居ました。「此の格好なら、何を歌うのか分るよね?」と自信満々に紹介し、夕闇で躍動する片瀬那奈を、僕らは心底愛した。那奈ちゃんのライヴは、いつもいつだって素晴らしかった。もっとずっと観れると、僕らは思っていました。
(小島藺子/姫川未亜)