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作詞:高見沢俊彦
作曲:高見沢俊彦
編曲:Shoichiro Hirata
オリジナル:小泉今日子(1986年、オリコン3位)
品番:AVCD-17426/B、AVCD-17427(ミニアルバム「Extended」07)
発売日:2004年4月21日(オリコン最高24位)
「Extended」の最後を飾るのは、小泉今日子のカヴァー「木枯しに抱かれて」です。那奈曲で構成された「Extended」で唯一「オリコン首位ではなかった楽曲」を、片瀬は最後に持って来ました。
当時チャート首位に立たなかったものの、人々の心に残る名曲です。ちなみに「木枯しに抱かれて」が最高3位だった時の首位は「うしろ指さされ組」の「技ありっ!」で、二位は「斉藤由貴」の「MAY」です。此の二曲を即座に歌える片は、かなりのアイドリアンだと思います。あたくしも「ああ、そんな歌あったナァ」とは思い出せるものの、楽曲は完全に忘れてますです。
此の楽曲は、片瀬那奈自身が望んでカヴァーしたと思われます。歌唱も情感が込められていますし、実演でも定番曲になりました。編曲は「Extended」の半数以上を手掛けた平田祥一郎サンですが、「禁断のテレパシー」のコーラスをサンプリングする遊びも加え余裕の出来映えです。「Extended」の編曲は、三者共に及第点を与えて良い立派な仕事だと思います。
問題は「片瀬那奈の歌唱」です。此のミニアルバムでの片瀬は「カラオケ那奈ちゃん」でしか在りません。単に「片瀬那奈が歌っている」だけなのです。「テレパシー・ヴォイス」の欠片も無い「生身の片瀬那奈」が晒されています。ハッキリ云えば「物真似カラオケ那奈ちゃん」な歌唱です。片瀬は、音感も確かで音域も広く色んな声色も出せます。だからこそ「Extended」を歌えたのです。でも、其れは彼女が創ったオリジナル作品とは比較しようも無い「お遊び」としか思えません。
「Extended」は、大いなる迷走で大失敗作です。そして、片瀬那奈は音楽活動を休止します。レコーディング・アーティストとしての片瀬那奈は「Extended」で終りました。でも、夢は続きました。「歌手・片瀬那奈」は、未だ終っていなかったのです。先を急げば、「木枯しに抱かれて」が消える彼方に、僕らは本当の次回作を望んでいました。其れは、五年近く経ってようやく実現します。
(小島藺子/姫川未亜)