作詞:森 雪之丞
作曲:NOBODY
編曲:Shoichiro Hirata
オリジナル:浅香唯(1988年、オリコン1位)
品番:AVCD-17426/B、AVCD-17427(ミニアルバム「Extended」05)
発売日:2004年4月21日(オリコン最高24位)
「Extended」の中盤は、片瀬那奈らしい明るいカヴァー曲が続きます。「Rock'n Rouge」から「C-Girl」と連なる展開は、余り好意的には受け取れないカヴァー盤の中での清涼剤でした。平田祥一郎サンによるアレンジも、「Extended」の中では最も異色で原曲とは全く違ったキュート・ハウスになっています。片瀬の声をSE風にサンプリングした音世界は、そのまま後の歌謡ハウスへと引き継がれました。
「C-Girl」は、「Extended」発表後の実演でクライマックスを演出する重要な楽曲になります。片瀬は実演で「Extended」コーナーと呼ばれた新たな試みに挑みました。実演で披露された「Extended」の収録曲は、「ミ・アモーレ」「淋しい熱帯魚」「禁断のテレパシー」「木枯しに抱かれて」と此の「C-Girl」の5曲です。後に詳述しますが、其のコーナーで片瀬は「早着替え」をして魅せました。其の最後に披露されたのが「C-Girl」だったのです。実演での模様は映像版の「RELOADED 〜Perfect Visuals〜」で観る事が出来ますが、何故か肝心の「C-Girl」は未収録です。ゆえに、体験したファンの心の中にだけ永遠に遺る「伝説のライヴ」となりました。
此の楽曲は、1980年代のアイドル歌謡を象徴する楽曲です。当時は、歌謡曲とニュー・ミュージック(後の「J-POP」)の境が「なし崩し」になった時代でした。職業作家では無く、シンガーソングライター系のアーティスト達がアイドルへ楽曲提供をするのが当たり前になったのです。其の先鞭を付けたのは「松田聖子プロダクション」だったでしょう。1988年に発表された「C-Girl」の頃には「NOBODY」が「浅香唯」に書くのが普通だったのです。アレンジも普通にロックですので、歌唱が「アン・ルイス」や「吉川晃司」の場合と何ら変わらないのです。単に「浅香唯」が歌うから「アイドル歌謡」となっただけです。そして、其れは「歌謡曲がロック化した」のでは無く、「日本語ロックも歌謡曲だった」と云う結論へと、当時のあたくしを導いたのでした。
片瀬那奈のカヴァー企画は、更に進んで「日本語ヒップホップとか日本語ハウスとかも、やっぱ歌謡曲じゃん!」と云う事実を教えてくれました。日本語で歌われる大衆音楽は、全て「歌謡曲」です。
(小島藺子)