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2009年12月03日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#082:「ミ・アモーレ」album version

EXTENDED(初回)(CCCD)(DVD付) EXTENDED (CCCD) AKINA BOX(紙ジャケット仕様)


 作詞:康 珍化
 作曲:松岡直也
 編曲:Shoichiro Hirata

 オリジナル:中森明菜(1985年、オリコン1位、レコード大賞受賞)

 品番:AVCD-17426/B、AVCD-17427(ミニアルバム「Extended」01)

 発売日:2004年4月21日(オリコン最高24位)


ミニアルバム「Extended」は、全曲が1980年代に活躍した女性アイドル歌手のカヴァーから構成されています。其の選曲も当時を知る者なら誰もが知っている超有名楽曲ばかりで、全那奈曲中の6曲がオリコン首位を獲得しましたし、残りも最高3位ながら定番曲です。ゆえに自ずとオリジナルと比較される運命にありましたが、其れは片瀬サイドの狙いでもあったのでしょう。つまり、比較されてこそカヴァーした意図が伝わると考えたからこそ、敢えて知られた楽曲ばかりを選んだのだと思われます。

カヴァー企画は、より「片瀬那奈の音楽」を世間に浸透させようとして行われました。「アノ曲が、片瀬那奈にカヴァーされるとこんな風に変わるのですよ」と云いたかったのです。実際に21世紀型の歌謡ハウスに生まれ変わっているのですが、果たして原曲を愛した世代に其れは素直に受け入れられたでしょうか?そして、オリジナルを知らない世代にアピール出来たでしょうか?確かに好意的に受け取った方々もいたでしょう。されど、反発した人々も同じくいたと思われます。「俺たちの青春時代の名曲を改竄しやがった」と感じる昔を知る人や、「何でこんな古臭い曲をカヴァーしてんだ?歌詞が意味不明!」と思う若いコも当然乍ら派生すると云う認識が、スタッフには無かったのでしょうか?

ミニアルバムは、先行シングル第壱弾の「ミ・アモーレ」から始まります。音源的にもシングルと同一のヴァージョンが収録されていて、其れは「禁断のテレパシー」も「2秒の時間差」があるものの基本的には同じテイクです。つまり、つい最近買ったカヴァーが2曲もそのまんまで収録されていたわけで、ファンにとっての新曲は5曲のみなのでした。先行シングルの同一ヴァージョンが一曲目とは余りにもオーソドックスな構成で、其れだけで前作アルバム「TELEPATHY」とは比較にならない程に安易なプロダクションを予感させますが、かと云って他にアルバム冒頭を飾るに相応しい曲があるかと考えると「無い」のです。正直に云ってしまえば、カヴァーはレコーディング作品としてなら「ミ・アモーレ」だけで好かったと思います。


(小島藺子)


posted by 栗 at 02:43| YUMEKAYO | 更新情報をチェックする