作詞:康 珍化
作曲:松岡直也
編曲:Shoichiro Hirata
オリジナル:中森明菜(1985年、オリコン1位、レコード大賞受賞)
品番:AVCD-30566
発売日:2004年3月10日
カヴァー路線に変更されてから発表された片瀬那奈のシングルは、二枚共にタイトル曲と其のリミックス(EDM)、インスト(カラオケ)の三曲入りで800円の低価格通常盤のみの仕様となります。結果、此の「ミ・アモーレ」も僅か20日後に連続リリースされた「禁断のテレパシー」もオリコン・チャートで「トップ40」に入るのがやっと、と云う悲惨な展開になってしまうのでした。
此の結果は、其れまでのシングルが「トップ20」入りしていた要因のひとつが、ピクチャーレーベルを変えたりDVDを付けたりと同一商品を多種仕様で発売していた事だと露呈してしまいました。つまり、単純にファンは同じ音源を沢山買っていたわけです。壱種類しかなければ、余程の酔狂なヲタ以外は壱枚しか買いません。価格なんか下げるよりも、ジャケットやレーベルを変えて沢山出せば此処までセールスは落ちなかったでしょう。
更に、カヴァー路線自体に対するファンの戸惑いも在ったと思われます。アルバム「TELEPATHY」から前作シングル「Necessary / EVERY***」へと進んだオリジナル路線が確かにファンには支持を得て居たのです。歌手デビューから壱年が経過し、ようやくファンは片瀬が何をやりたいのかを理解しました。其の方向性は冠イベント「777」でより明確になったのです。なのに、新曲リリースは大昔のアイドル歌謡カヴァーでは混乱します。
片瀬サイドとしては、こうしてダンス・ミックスもカップリングする事で変わらぬ音楽性をアピールしていこうと考えたのでしょう。ファンも当時は一時的なカヴァー企画で、当然ミニアルバムまで短期間で発表した後にはオリジナル路線へ回帰すると思っていました。「777」もずっと継続されると思っていました。片瀬自身もそうだったと思います。現に、此の頃六本木ヴェルファーレの改装工事が決まり4月には会場として使用不可能だと知った僕らが片瀬本人に「来月(4月)は『777』はないんですか?もうDJはやらないの?」と直球でズバッと訊いたら、片瀬は「ん?やるよ〜!」と即答しました。然し乍ら、二度と「777」は開催されませんでした。
(小島藺子)