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2009年11月08日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#064:「KATASE NaNa LIVE 2003」

Necessary/EVERY***(CCCD)


2003年11月01日

「KATASE NaNa LIVE 2003」 @ 日本工業大学(埼玉)

セット・リスト

 01. Change this World (銀のレザー)
 02. TELEPATHY
 03. GALAXY
 04. Shine <MAD FAT PAD MIX>(ダンサー抜きソロ)
 05. A・I・O 〜 MY LIFE (早着替え、グリーン、ピンク、ブルーのミニ)
 06. Babe
 07. Deep Forest (プロモ映像)
 08. Babe -Huge remix-(テバサキ・ダンサーズ)
 09. The Wings (ピンクのつなぎ)
 10. EVERY***
 11. Necessary

 アンコール
 12. FANTASY


片瀬那奈ちゃんの初めての完全なるワンマン・ライヴとして行われた記念すべき実演で、女性ダンサーと片瀬那奈ちゃんの5人が「テバサキ5(片瀬サン命名)」と名乗ったのは此の日からです。「お揃いでTシャツも作ろう!」と宣言し、其れは後の実演で着用されました。内容は、オリジナル作品を発表していた「第一期歌手時代前期」を総括するかの如く、其れまで発表した四枚のシングル曲を全て網羅し、アルバム「TELEPATHY」からの人気曲(「Change this World」「A・I・O」「Deep Forest」「The Wings」)やシングルB面の重要曲「MY LIFE」も加えた完璧な選曲で、数多い「歌手・片瀬那奈」の実演史上で初めてアンコールに応えたと云う、其れまでの実演では文句無しに最高の出来でした。

学園祭でのライヴでしたから客層もほとんどが当時の那奈ちゃんと同世代の二十歳前後の学生で占められましたが、我々世代を超えた「那奈ヲタ軍団」もはるばる東武動物公園よりも先の日工大に多数集結し最前列ど真ん中に居ました。15時開演だったと記憶しておりますが、僕は始発で出掛け7時前から待って居ました。流石に一番乗りだったのだけど、誰も居ないと逆に「本当に此処で行われるのだろうか?」と不安にもなったものです。

9時位になって育美クン(前回の拓殖大学 紅陵祭で二列目の僕の真後ろに居て、其の後の代々木VIVIDでアンテツ&ジンジンと同様に名指しで挨拶し知り合った同志で、当時学生だった彼は那奈ちゃんのイベントを追っかける為に米国留学を断ってしまった程の「強者・那奈ヲタ」の一人でした)が現れ「うわっ!絶対に俺が一番乗りかと思ってたのに、未亜サン何時から待ってたの?えっ。始発で7時前?オヤジ・パワーはすげぇ〜ナァ」なんぞと宣い、昼近くなってワラワラと集まりだした顔見知りの那奈ちゃんファン全員に「未亜サンは朝壱で来て7時前から待ってたんですよっ。やっぱ、未亜サンに付いてゆけば大丈夫だってっ!」なんぞと神輿に担ぎやがったのです。責任重大になったボキは、学祭運営係の学生サンに「あのぉ〜、小さい子供のファンも居るので前の方で観たくて早くから待って居るのですけど、整理券とか配って下さらないんですか?」等と交渉したものの「いえ、開演の30分前位に列を作りますから待機して居て下さい」と無情にも云われました。何時掛かるかも分らない号令を延々と待った甲斐が在り先頭に並べたのですが、「走らないで!」と云う係の注意を当然乍ら無視し後方からダッシュして来る学生軍団をなんとか早歩きで阻止し、最前列中央エリアへ辿り着いたのでした。ぜいはあ、、、

当時、未だ幼稚園児だった女の子のファンも僕らの仲間には居ました。若いパワーでモッシュ状態になり子供が怪我をする最悪な事態を懸念した学祭運営の学生サンの粋な計らいで、彼女は最前列とステージを隔てる柵の向こう、つまり「本当の最前列ど真ん中」特等席で観る事になったのです。其れまでも彼女はラヂヲ公録などに叔母サンに連れられてやって来て「最年少那奈ヲタ」として一部で有名(ラヂヲ観覧中に劇団ひとりサンが「片瀬サンじゃなく、ホントは僕のファンなんでしょ?」等と笑いを取る為に絡んだら、本気で拒否し那奈ちゃんを見つめて涙ぐんだ「伝説の少女ファン」)でしたが、実演を観るのは初めてだったのです。生まれて初めて観るライヴ、しかも部屋にポスターを貼る程に憧れている那奈ちゃんの歌い踊る姿に、少女の心は震えました。余りの感動に、呆然となり完全に固まってしまいました。いえ、彼女の斜め後ろでお守り役もしていた僕が云うのですから間違い在りません。

登場時から其の「小さなおともだち」の存在を認識して居た片瀬那奈は、生涯初めてのアンコールを彼女に捧げると云う行動に出ます。「デカイ!片瀬」は、いきなりだナァでしゃがみ込み「FANTASY」を幼女の目線で歌い出したのです。目の前に片瀬那奈の顔を観た小さなファンは、一緒に踊り歌いました。ま、其れは少女の斜め横に立つ僕にとっても「目前に那奈ちゃんの顔が在る」って状況だったのですけどね、、、最初は何事か?と思った観客も、片瀬那奈が何をしているのかに気付き、会場は愛で包まれたのです。少女が笑った事を確認した那奈ちゃんは立ち上がり、会場全体に向けて「未来」を歌いました。正に大団円!片瀬那奈の初ワンマン公演は興奮覚めやらず終演し、多くのファンが出待ちへと向かう中、在ろう事か僕は「小島麻由美サン」の学祭実演へと後ろ髪を引かれまくり乍ら向かったのです。だってさ、先にコジマユが発表されてたんですよ。本来なら梯子なんて無理だと思ったんだけど、同じ沿線上で時間もズレていたからさ。でも、ジェシー・ハリスとの梯子に続いて敢行した此の日、僕は誓った。「例え、同日にポールやマドンナ、スティーヴィー等の公演が在っても、二度と梯子はしないぞ!」と。「那奈ちゃんの日には、決して他の予定は入れない!」と、固く心に誓いました。

さて、其の少女は翌年(2004年3月)に、生まれて初めて貯めたお小遣いで自分の意志でCDを買いました。其れは、片瀬那奈ちゃんの「ミ・アモーレ」だったそうです。


(姫川未亜)



posted by 栗 at 00:07| YUMEKAYO | 更新情報をチェックする