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2009年10月29日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#058:「EVERY***」

Necessary/EVERY***(初回限定盤)(CCCD)(DVD付) Necessary/EVERY***(CCCD)


 Lyrics:Saki Sodeyama
 Music:Shinichi Sakurai
 Arrangement:Satoshi Hideka(GTS)

 品番:AVCD-30532/B、AVCD-30533

 発売日:2003年10月16日(オリコン最高位20位)

 関西テレビ フジテレビ系「もしも体感バラエティ if」エンディングテーマ


「EVERY***」は、名曲です。個人的には、両A面シングル乍ら「実質的なA面曲(タイトル・チューン)」で在る「Necessary」よりも好きです。「Necessary」同様に片瀬の声はハスキーな風邪声ですが、イントロから一気に駆け抜けるポップ度満点な楽曲と編曲が素晴らしく、魅力的です。実演でも定番曲として定着してゆく代表曲のひとつになりますが、中でも「NANA KATASE WEEKEND FEVER777 Vol.3」(2004年3月6日 名古屋 cafe abime)とBS日テレ「 Bring Back! MUSIC!」公録(2004年3月23日 渋谷eggman)ではラフなTシャツにデニムの私服風なファッションで披露され、両手をグルグル回すアクションをファンも嬉々としてマネした想い出深い楽曲です。

かなり直接的な恋愛感情及び行為に関する表現が多い歌詞は片瀬本人が「こういう詩を歌うのは照れくさい」と語ったのですが、「Babe」や「The Wings」同様に片瀬の歌唱や実演には淫靡な印象が皆無です。片瀬は品がよく健康的なので、性愛讃歌を歌っても決して下品な感じには転びせん。片瀬に対して、「和製カイリーならば、もっとビッチ度を上げなさい」との勘違いな要望も在りましたが、其の路線へは進み様が無いのが「片瀬の資質」です。「だったら、おまいは大人しくカイリーだけ聴いてろ」と「旧UWF時代の後楽園ホール観客」みたいに野次りますよっ。

「Necessary / EVERY***」は、当然乍らオリジナル・アルバムに未収録で、後にベスト盤「Reloaded」で初めてアルバム収録されます。CDDA音源になった以外には、時間的な差異は両曲共にシングルと「Reloaded」では在りません。但し、シングルに収録された「EVERY***」のインストは「歌入りよりも2秒も短い」のです。其れは歌入りのエンディングがコーラスで終るからでも在るのですが、其れだけでは無く、明らかにバッキングが「歌入り」と「インスト」では別ミックスです。「歌入り」ではコーラスのエコーで終る為に演奏がフェイドアウトするのですが、コーラスが無い「インスト」では最後まで演奏がフル・ヴォリュームで鳴り響き、暴力的なカットアウトで終ります。「歌入り」の爽やかなエンディングを聴き慣れた片には、かなり衝撃的に響くはずです。其れは、此の四曲入りのシングルのエンディングでも在るわけで、片瀬サイドの「遊び」なのでしょう。「カラオケなんかキカネ!」等と云わずに、折角買った音源は全部しっかりと聴きましょうね。

さて「ダブルA-SIDEシングル」と帯にも明記されているものの、「Shine」同様にジャケットには「Necessary」としか明記されていません。其の謎は前述の「タイトル未定」の存在で説明出来ます。当初、此のシングルのカップリングは「EVERY***」では無かったのです。作家陣が一新された事からも、第一期歌手時代最後のオリジナル楽曲として制作されたのが「EVERY***」でしょう。「此の路線でセカンド・アルバムが制作されていたなら、、、」との無念は消えません。特に昨年(2008年)に壱曲限定で復活した「bash」を聴いてしまったのですから、本当の意味でのアルバム「TELEPATHY」の「NEXT ONE」を期待しております。

歌手・片瀬クン!出番ですよっ。うらら姫の童謡も楽しいけど、片瀬那奈の音楽が待望されています。

「時は来た!今こそ歌え、片瀬那奈」(橋本真也声で)


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| YUMEKAYO | 更新情報をチェックする