Lyrics:NANA KATASE
Music:RAM RIDER
Arrangement:RAM RIDER
Mix:Dave Ford
Programming:RAM RIDER
Guitar:Hideo Someha , Akira Fujieda
Chorus:Junko Hirotani , Bang!
品番:AVCD-17291/B、AVCD-17292(アルバム「TELEPATHY」08)
発売日:2003年6月25日(オリコン最高位17位)
「本格的なフィルター・ハウスで、可愛く日本語が英語に聴こえる様に作詞した好きな曲」と片瀬自身が語る「A・I・O」は、彼女の嗜好性が最も反映された楽曲でしょう。片瀬は多くのアルバム候補曲の中から、最初の段階で迷わず此の楽曲を選び自ら詩をつけたのでした。
作編曲・演奏を担当した「RAM RIDER」は無名の新鋭サウンドクリエーターでした。片瀬盤から一年後の2004年にマキシ・シングル「MUSIC」で彼はソロ・デビューしますが、其のカップリング曲で在る「ミラーボール」は「A・I・O」のセルフ・カヴァーでした。RAM RIDER 氏の日記には「ミラーボールは僕が生まれてはじめて作った歌モノで、デモテープ作った3ヵ月後には片瀬那奈さんのアルバムに入っていたという思い出の曲。彼女のアルバムもすごく良かったなー。」との記述が遺されております。片瀬は「RAM RIDER を見いだした恩人」なのです。
渋谷タワレコでの視聴コーナーで片瀬が流したのは「Deep Forest」と「A・I・O」でした。当時一世を風靡して居た「朝本浩文」と全く無名だった「RAM RIDER」を、片瀬は同じそ上にのぼせ「片瀬那奈的音楽」へと料理してしまいました。RAM RIDER のデモを気に入りチョイスした片瀬の構想に在ったのが「未知なる音楽」だった事は明確で、お手本にしたのが「洋楽ハウス」であった事も「英語みたいな日本語」を意識して歌った事実から伺えます。完全なるエレクトリック・サウンドをバックに、珍しくエフェクターをかけた「テレパシー・ボイス」を本人も語る様に過剰に可愛らしく歌った「A・I・O」は、決して「無機質」な音楽にはなっていません。其れは驚く程に「エモーショナル」です。片瀬那奈の音楽に共通する「魔法」のひとつとは「最新型の電気式音楽で在り乍ら、温かいぬくもりが感じられる」事なのです。其れは、片瀬自身が例えば「SASHA」を聴いた時に感じた不思議な感覚を具現化した試みでした。片瀬は思い描いた通りの新たなる音楽を、うっかり創造してしまったのでした。
「A・I・O」で片瀬が提示した世界は、五年後に「Perfume現象」として大衆性を獲得します。其の未来を2003年に確信を持って預言していたのは、鬼畜系雑誌「BUBKA」での「同志・宇多丸」による「マブ論」だけでした。そして「那奈ヲタ」で「マブ論」を初回から絶賛していたのは「アンテツあにい」とあたくしだけでした。そんな事実からも、僕らは「竜虎」と呼ばれるのです。カミングアウトしましょう、アンテツとあたくしは「ニュータイプ」です。だからこそ「片瀬那奈ちゃんを拝む」のだよ。
那奈ちゃんは「別格」です。
(小島藺子/姫川未亜)