出演作:『GTOドラマスペシャル』(関西テレビ系)
放映日:1999年6月29日(21:00〜22:48)
(視聴率「27.4%」)
映像作品:ヴィデオ「GTOドラマスペシャル」
(ポニーキャニオン PCVE-30962)1999年9月17日発売
DVD「GTOドラマスペシャル」
(ポニーキャニオン PCBE-50349)2002年9月4日発売
事実上の「女優・片瀬那奈」デビュー作品が『GTOドラマスペシャル』です。前述の通り、彼女のデビュー作品とされる「最後のデート」で片瀬クンが演じた役柄は「片瀬那奈」でした。新人女優の登竜門として存在した深夜番組の「美少女H2」が果たして純然たる「ドラマ作品」なのか?との疑問も在る上に、役名まで芸名とおんなじでは「女優デビュー?いやいや、此れはプロモーション映像でしょ」と、少なくともあたくしは思いました。本人は大真面目だった様だけど、ファンは「那奈ちゃんが動いてしゃべっている」だけで充分に満足だったし、其の後に彼女が「怪優」へと進む未来など夢想すらしていなかったのです。僕たちは「ヤンサン」のグラビア・アイドルとして、彼女を捉えていました。
されど、当の「17才の片瀬那奈」は自信満々で視聴した「最後のデート」を観て、おそらく其れまでの人生で初めての大いなる挫折感と屈辱感を味わったのです。「こんなはずじゃなかったっ!」と、無様に本人には映った演技を観て悔し涙を流したのでした。其れでも業界での「片瀬那奈」に対する評価は全く逆で、すぐさま大人気ドラマのスペシャル版へ準主役としての起用が決まりました。「17才の片瀬那奈」は「二度とあんな失敗は繰り返さないぞっ!」と誓い、実行します。
其処に居たのは「山口梨香」でした。主人公「GTO・鬼塚先生(反町隆史サン)」が新たに赴任した女子高の「裏番」とも云える「山口梨香」は、前任の担任教諭で在る「武田先生(細川・ヒビキ・茂樹サン)」と「教師と生徒」と云う禁断の恋愛関係(当時のドラマでは、よく扱われた題材ですけどね、、、)に在ったものの捨てられ、両親が離婚問題で揉めてもおり、ドンドンと尖ってゆきます。ツルんで居た三人娘グループの他の二人をも罠にはめ、完全に孤立してゆく梨香を「GTO」がお得意のハチャメチャなオレ様流な方法で立ち直らせる、と云う「マンガじゃん!」なストーリーなのですけど、原作が漫画なんだから仕方無いですね。余談ですけど、片瀬那奈ちゃんが出演したドラマや映画の約半数は「漫画が原作」です。「那奈ちゃん、また漫画かよ?」って決めフレーズも、かつてはお約束だったのですが「カタセカイ住人」でも在る「松山ケンイチ」くんの台頭で「マンガ役者 No 1」の座を奪われてしまいました。「マツケン、ぜんぶマンガだよ、マツケン」。
兎も角、スペシャル版でのヒロインは「山口梨香」です。果たして「ポッと出の新人」だった片瀬那奈ちゃんは、其の難役を懸命に演じ切りました。主演の反町サンと対峙しても見劣りしない抜群のプロポーションと身の丈(三人娘での場面では、既に異常に「デカイ!」です)。陰の在る役柄ゆえに際立つ強い目力と、改心した時に魅せる会心の笑顔!と「片瀬那奈ちゃん」の若々しい魅力が溢れた作品です。確かに、此処での片瀬クンは新人に共通する「絶叫型」の一本気な演技とも云えます。未だ「演技とは何か?」と云う地点には遥かに遠い場所で、もがいています。でも、其の「熱き心」は観ていた僕たちに確実に届きました。其れは、きっと「片瀬那奈」が本気になったからだったのでしょう。「あっ。那奈ちゃんは女優さんになる気なんだ」と認識しました。そして、其れはきっと成功するとも思った。「片瀬那奈が逸材で在る事実」だけは、きっと万人に届いたでしょう。深夜の「ヲタ向け番組」だった「美少女H2」とは違い、此の作品は堂々とゴールデン・タイムで流れたのですからね。おそらく、此の作品で片瀬那奈を知った方々も多くいると思われます。
後に顧みれば「きれいなおねえさん共演(貳代目&三代目)」でも在ったし、後の「カタセカイ住人」も多く出演している正にスペシャルなドラマです。高視聴率をマークし続けた連続ドラマを受けての特別版に続き、映画化もされた大ヒット作で、当然乍ら「連続ドラマ第2シーズン」に繋がるとも云われておりました。何故、其れが頓挫してしまったのか?なんて裏事情は、あたくし如き一般人には分りませんよ。其れこそ、当時「反町サンのマネジャー軍団」に在籍しておられた「現・チーム片瀬・チーフ」にでも訊いて頂戴☆
ナンダカンダと後付けするよりも、当時の正直な感想を記して置きましょう。僕は、「演技は其の内上手くなるんだよ。那奈ちゃんは『最後のデート』でも『GTOドラマスペシャル』でも、蕩ける位に可愛いじゃないか。こんなに可愛いコを観てるだけで、充分に幸せじゃん!」と、「17才のアイドル・片瀬那奈」を単純に好きになって行っただけだったんです。ホント、可愛いよナァ、、、(うっとり)
いえ、アノ、今でも、もっともっと、那奈ちゃんは可愛いですよっ!
(小島藺子/姫川未亜)