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2009年10月06日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#036:アルバム「TELEPATHY」プロモ・カセット

TELEPATHY (CCCD)


 Track List

 SIDE A
 01. Change this World
 02. TELEPATHY
 03. GALAXY
 04. Deep Forest
 05. Shine
 06. Babe
 07. Communication

 SIDE B
 01. A・I・O
 02. The Wings
 03. Teardrops
 04. REVENGE〜未来への誓い〜
 05. FANTASY < Album Mix >
 06. Shine < MAD FAT PAD MIX >

 品番:なし

 発表日:2003年春頃


片瀬那奈のアルバム「TELEPATHY」が一体どんな手順で公にされたかは、いちファンでしか無い筆者には不明です。此のアルバムの音源や其れに収録される楽曲の実演を当時初めて聴いたのは、「渋谷タワレコでのイベント(2003年6月22日)」でした。そして、其の翌日(2003年6月23日)に「渋谷に明日も、また出現しちゃうかもよ!」と予告した那奈ちゃんはゲリラ実演を敢行します。残念乍ら仕事で行けなかったんですけどね。そして、正式な発売日の前日(2003年6月24日)にアルバムが店頭に並び、既に「渋谷タワレコ」と「渋谷HMV」で予約していたのに地元で「初回限定盤DVD付き」を嬉々として残業帰りに購入したのでした。ピクチャー・レーベル三種封入り商品だったのですから、最低でも三枚買うのはお約束でした。

ハッキリ云いますけど、那奈ヲタは其の商法を大いに楽しんでいました。何せ、アルバム「TELEPATHY」に連動したイベントが沢山在ったのです。アルバムを購入すれば、オプションで其のイベントに参加出来るのですよ。言わば「実演のテケツ代は無料!」なわけよ。其れで、那奈ちゃんは多種多様な商品を出してくれたわけで、那奈ヲタにとっては「願ったり叶ったり」状態だったのです。そんな呑気な相互関係も在り、音源は全く同一なのですが、市販盤だけでも五種類のアルバム「TELEPATHY」が店頭に並びました。然し乍ら、矢張り、当然の事ですが、アルバム「TELEPATHY」にも公式発売以前に流出した音源は在ります。其れがどんな順番で出回ったのかはしつこく云いますけど定かでは在りませんが、手元にはアルバム「TELEPATHY」のプロモ・カセット版とCCCDプロモ盤が確かに存在しています。

片瀬那奈の最高傑作で在るアルバム「TELEPATHY」を含めた音楽作品は、ベスト盤と云えるシングル集「Reloaded」を除く「実質上は現役時代全作品」が、2009年の現在でも残念ながらCCCDでしか販売されていません。其処で、プロモ・カセット版の価値が高まる結果となりました。先日20余年振りにリマスター化された「THE BEATLES」作品も「やはり、アナログだ!」との頑固オヤジの嗜好も在り、されど「アナログではスクラッチ・ノイズが避けられない」との理由から「テープ」への注目度が増しているとも聞きます。「THE BEATLES」作品の様にしっかりとしたリマスターCD化が成された音源ですら「CDじゃナァ」と云われてしまうのですから、片瀬の様に其の多くが悪しきCCCD音源でしか発売されなかった不運なアーティストの眞の姿を聴くには、現存する音源では「プロモ・カセット版」しか無いと断言するしか無いでしょう。

カセット版のアルバム「TELEPATHY」は当然乍ら「AB面」に別れています。其のアナログ感覚での構成では、果たして何処で裏面へと移行するのでしょうか?其れは「Communication」と「A・I・O」の間です。カセットと云うメディア上、丁度真ん中でひっくり返す展開になっているわけです。でも、本当にそうなのでしょうか?例えばの話、もしあたくしがアルバム「TELEPATHY」をアナログ盤でカット出来たなら、最後の二曲は外した11曲をLPにして、残りの「FANTASY」と「Shine」のアルバム用リミックスは付録12インチ・シングル両面に収めます。そしてLPのA面ラストは「Shine」で、B面最初が「Babe」にするでしょう。此の音源は、そんな夢想へと誘ったのです。「片瀬音源最後の砦」は、テープです。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| YUMEKAYO | 更新情報をチェックする