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2009年09月13日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#023:「Babe」music station version

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 Lyrics:kenko-p
 Music:KAZUHIRO HARA
 Arrangement:KAZUHIRO HARA

 放映日:2003年2月21日(テレビ朝日系「ミュージック・ステーション」生出演)


「歌手:片瀬那奈」が、初めて音楽番組に生出演して歌った記念すべき音源です。片瀬は、露出も大胆でカラフルなミニスカ・ワンピース姿(タモさんも鼻血ブー!な生脚!!)で、女性ダンサー二名を従えて「Babe」の所謂ひとつの「ワンハーフ版」を歌い踊りました。

当時、心ない方々もしくは「ホウイチ」は、「片瀬は口パクじゃん!」と断じた。残念でした、片瀬は「生で歌っています」よ。此の音源で、片瀬は裏メロと主旋律の両方を行き来しながら、しっかりと生で歌っていました。バックで流れたのは、TV用に再編集された音源でした。其の音源には、片瀬自身が声を重ねた「ウイスパー・ヴォイス」や「高音部のコーラス」、更には「おそらくキーを上げてミックスされたメイン・ヴォーカル(平たく云えばガイド・ヴォーカルとして残された主旋律)」も含まれています。然し乍ら、片瀬は生でしっかりと歌っているのです。ゆえに、此のヴァージョンから始まる「片瀬那奈のTV歌番組出演時の音源」は、全てが別音源です。其の理由は、何度も云いますが、常に「片瀬那奈は生で歌っていた」からです。TV音楽番組でも実演でも、片瀬は生で歌っていました。あたくしが実際に参加した限りでは、片瀬が生で歌わなかった事は壱度たりとも在りません。

実演でテープを「楽器」として活用する手法は、1970年代には洋楽では既に実用化されていました。片瀬が創造した音楽は「エレクトリック・ダンス・ポップ」とカテゴライズされましたが、其れこそ「電気式」でテープを実演で使用しない連中等、当時でも洋楽、邦楽を問わず「皆無」でした。何処のどいつが例えば「アンダーワールド」のギグを観て「口パクじゃん!」なんて云ったでしょう?あたくしは1980年代前半に所謂ひとつの「はっぴいえんど〜ナイアガラ&ティンパン系〜YMO人脈」な日本人アーティストの実演を数多く体験しましたが、ターボーこと大貫妙子先生も、アッコちゃんこと矢野顕子さんも、鈴木さえ子ちゃんも、戸川純ちゃんも、まりや姉さんも、山下達郎兄さんも、大瀧師匠も、細野さんも、全員が既に「テープをライヴで活用」しておりましたよ。例えば、タツロー兄さんがアカペラを実演でやる時に、彼は主旋律しか生で歌えないじゃん。全部ひとりでやってんだもん。片瀬も声を重ねてレコードを創っていたのです。生では其のひとつしか歌えなかっただけで、耳さえ在れば誰もが鮮明に聴き取れました。口パクで歌詞を絶句したり間違えたり出来たとしたら、エスパーですよ。片瀬の何処が口パクなのよさ?そんな風説を流布した輩には、耳鼻咽喉科への通院を強くオススメしますわよ、ホウイチくん。

片瀬が生で「Babe」をTVで披露したのは、此の番組だけです。他には「真夜中の王国」でのスタジオ・ライヴ(2003年2月14日放送)での「録画パフォーマンス」しか記憶にありません。其処で片瀬がやらかした事は、簡単な例えをすれば、THE BEATLES が「REVOLUTION」のプロモで試みた事とおんなじでした。片瀬は、薄くしたオケに合わせて実際にも確かに歌っているのです。ゆえに、片瀬の「LIVE」は全て「別音源」となりました。当時のあたくしは、そんなことよりも躍動する片瀬の姿に圧倒されていました。其れは今までに観た事が無い「片瀬那奈」でした。演技者では無い「生身の片瀬」が、確かに其処に居た。「此れは、是が非でも実演に行かねばならぬ!」と誓ったのです。そして其の機会は、もうすぐ其処に在りました。


(小島藺子/姫川未亜)



posted by 栗 at 21:57| YUMEKAYO | 更新情報をチェックする