Lyrics:kenko-p
Music:KAZUHIRO HARA
Arrangement:KAZUHIRO HARA
(Time:4'14'')
品番:AVCS-10830
発表日:2003年1月
2003 vodafone W杯モーグル テーマソング
片瀬那奈のセカンド・シングル『Babe』は、デビュー・シングル『GALAXY / TELEPATHY / FANTASY』発売(2002年12月4日)から僅か二ヶ月半後(2003年2月19日)に世に問われました。
前作の「GALAXY」及び「TELEPATHY」でスウェーデンの作家チーム「Marcus Granberg & Patric Sarin 」や「Patric Johansson & Linus Norden(こちらは本当に欧米人で在るかは不明)」が作曲を担当し提示した「和製カイリー路線」を、第二弾では日本人の新鋭作曲家「原一博」に受け継がせ、より歌謡曲的な分り易いポップスに仕上げました。元になったのは、誰が聴いてもお分かりの通り、カイリー・ミノーグの「Love At First Sight」です。「原せんせい」は「Babe」を提供する際に「今までで最高の曲が書けた!」と自画自賛したらしいのですが、片瀬が歌わなかったなら「只の替え歌」って事になりかねなかった程に酷似した楽曲です。個人的には原さんが片瀬に提供した楽曲は全て大好きなんですけど、一寸元ネタに似過ぎてますよね。でも、おそらく其れは制作サイドが意図的にやらかした事だったのでしょう。何故なら、カイリーからの模倣は音楽ばかりでなく「PV」にまで及ぶからです。片瀬の初期楽曲の「PV」には、明らかにカイリーの其れから模倣した部分が多く含まれています。何度も繰り返しますが、此処まで意識的に影響を露呈したならば、其れは「バレて当然」なんですよ。つまり、制作者サイドは片瀬を「和製カイリー」と呼ばせたかったのでしょう。「アレレ?カイリーと似てるぞ」と気付いて欲しかったのです。
此れらに関する「片瀬サイドからの回答」として、2003年8月1日に六本木Velfarreにて敢行された「PIA SUPER LIVE GROOVE」と「MXTV シークレット・ライヴ」への同日連続出演が挙げられます。二度目に片瀬が登場する前に「DJ TIME」が在りました。其処でDJが最後に「さあ、これから登場する片瀬那奈ちゃんを此の曲で迎えよう!」とアジって流したのが、なな、なんと「Love At First Sight」だったのです。最前列ど真ん中に居たあたくしは、思わず爆笑してしまいました。「おいおい、本家・カイリーを前座扱いかよ?片瀬、カッコいいじゃん!」と拍手喝采しちゃったわよ。確信犯的に登場した片瀬は、当然乍ら堂々とオチで「Babe」を熱唱し「もう今夜は絶対出ないから、待ってても無駄だよ☆」と云い放ったのでした。シビレたよ、那奈ちゃん。
さて、公式盤が発売される前には必ずプロモ盤が存在します。此の「Babe」プロモ音源は、通称「読み方:ベイブ」と呼ばれている貴重音源です。CCCD盤やカセット版も存在すると考えられる此の音源は「M1-Babe」と表記された「Babe」の初期ラフミックスのみを収録しています。ライナーに書かれたタイムは「4'14''」ですが、実際には終った後に無音状態が編集前の状態で残されており「4'23''」まで続きます。対して、シングルで公式発売されたヴァージョンは「4'17''」で、アルバム収録(「TELEPATHY」及び「Reloaded」)は「4'16''」です。「0'01'' 単位の時間差が何だ?」と云うなかれ。デジタル録音で時間差が生じると云う事は、つまり「別音源」なのです。何らかのカタチで手を加えなければ時間差は生まれません。特に此のプロモ音源に関して云うなら、明らかに市販音源とは音圧からして違っています。此れは、間違い無く「マスタリング以前の音源」です。ちなみに、所謂ひとつのカラオケ音源は聴かれない事も多いのでしょうけど、片瀬音源に関しては要注意です。例えば「EVERY***」は歌入りとカラオケでエンディングが違っています。
「Babe」に関して云うなら、リミックスを含まないだけで四種類の別音源が存在する事になります。其れは「プロモ盤ラフミックス」と「シングル盤CCCD」と「アルバム盤CCCD」そして「アルバム盤CDDA」です。気になるのは、後に語る「クラブ・ミックス」の存在です。其れは明らかな別ミックスで「アルメニアン・ハウス・セレブ・スタイル(AVCD-17305)」と云うコンピレーション盤のみで聴けるヴァージョンですが、もしかしたら「アナログ盤」が存在するのか?との期待を抱かせます。2009年現在でも、片瀬那奈のアナログ音源は「TELEPATHY ep.」のみしか確認出来ませんが、片瀬の音楽志向から考えても「何故、アナログ盤がたった壱種しか無いのか?」と「大いなる疑惑」が膨らみます。
(小島藺子/姫川未亜)