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2009年06月16日

「あふれる熱い涙」

船出―三沢光晴自伝


イコおねえちゃんが「東京スポーツ」をかってきたので、ぼくはビックリした。

もうずいぶんまえから、イコおねえちゃんは「東スポ」も「ニッカン」も「デイリー」もかわなくなっていたからです。まえはまいにちかっていたのだけど、となりのタバコやさんのオジサンがいなくなってからは、かうのをやめてしまっていた。たまにコンビニにいってイコおねえちゃんがスポーツしんぶんをかうのは、片瀬那奈ちゃんがのっているときだけなので「ははぁ〜ん、きょうの東スポには、片瀬那奈ちゃんがのっているんだな」とぼくはわかった。

でも、それはハズレでした。いちめんにコワイしゃしんがのっていて、ぼくはめをそむけました。イコおねえちゃんは「みさわぁ〜!なぜしんだぁーっ!!」とふるえながら「東スポ」をよんで、ないていた。DVDで「ゼロワン」というむかしのプロレスをながして、みはじめました。「はしもとーっ!みさわーっ!」とさけびながら、ごうきゅうして、いっぱいいっぱいむかしのプロレスをみていました。ぼくが「プロレスなんて、もうはやらないよ。ハッスルとかのほうがおもしろいじゃん!インリンさまとボノちゃんがみたいナァ。でなかったら、アメリカのおねえちゃんがでてくるWWEとかさ」とわけしりがおでいうと、イコおねえちゃんはキシンのひょうじょうで「たわけものっ!プロレスだけがガチなのよさっ!!み・さ・わ!み・さ・わ!み・さ・わ!み・さ・わ!〜」とくるったようにぜっきょうしました。

これはたたごとではないとサッチしたオリコウサンのぼくは、すばやくわだいをかえようと「東スポ」にめをはしらせるとミルコ・クロコップのしゃしんがのっていたので「イコおねえちゃん、やっぱりそうごうかくとうぎだよね?しんけんしょうぶっていうんでしょ?」としったかぶりをしていいました。つぎのしゅんかん「みさわのエルボー!」とさけびながらイコおねえちゃんのひじてつがぼくのあごをちょくげきし、ぼくはしっしんすんぜんになった。イコおねえちゃんは「ばかやろーっ、そーごーもけーわんもぜんぶヤヲにきまってんだろーがっ。ガチなのはプロレスだけなんだよっ。」とかんぜんにじょうきをいっしためつきで、じごくのそこからひびくようなひくいこえではきすて、しずかにわらいました。わらっているのに、イコおねえちゃんのめはなみだでいっぱいでした。とてもとてもかなしそうだった。

それで、ぼくは「ねえ、こんど、プロレスにつれていってくれますか?」とイヤイヤながらおねがいしました。イコおねえちゃんは、だまってうなずいた。そして、ずっと、むかしのプロレスをみつづけています。そしていった。「くりぼう、やっぱりコジマがみたいよね?」と。ぼくはよくわからないので、てきとーに「うん!」とこたえたら、イコおねえちゃんは「うんうん、コジはいいよね、コジってさプロレス・ゲームをやるときに、かならずミサワでたたかうんだよね、ただのファンじゃん!ぎゃはははは」などとじょうきげんでコアすぎるはなしをはじめたので、ぼくはねたふりをしています。


(くりぼう)



posted by 栗 at 00:10| KINASAI | 更新情報をチェックする