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w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ノーマン・スミス
2E:ケン・スコット(2/18、2/20)、マルコム・デイヴィス(2/23)
録音:1965年2月18日(take 4)
MONO MIX:1965年2月20日
STEREO MIX:1965年2月23日
初出:1965年6月14日 アルバム発売 (「BEATLES IV」 B-4)
米キャピトル T 2358(モノ)、ST 2358(ステレオ)
1965年8月6日 アルバム発売 (「HELP !」 B-4)
パーロフォン PMC 1255(モノ)、PCS 3071(ステレオ)
流れる水の如く、ポール・マッカートニー作の「サントラ面のボツ曲」へと繋がります。アルバム「HELP !」のB面は、不可思議な程にまとまっています。ジョージ・ハリスン作の「YOU LIKE ME TOO MUCH」と、此のポール作の「TELL ME WHAT YOU SEE」は、録音データでお分かりの通り「映画のサントラ用に録音された楽曲」です。他の五曲は「既にサントラ面が完成した後に録音された新曲」なのです。此の楽曲から三連発で「ポールの曲」が続くのですが、ジョン・レノンの「IT'S ONLY LOVE」から、アノ永遠のスタンダード曲「イエスタデイでしょ?あたし好きだな(未来ちゃん声で)」までの五曲が、まるで後の「ABBEY ROAD」B面メドレーの如く繋がっています。しかも、穏やかに何の作為も無いかの如く自然にそうなっています。其れが明らかに意図的な流れで在る事は、アルバム最終曲で明かされますが、此のB面の「緩やかで優しい色彩での統一した流れ」を作った要因のひとつは、楽器編成でしょう。
最早、其処には「ロケンロール楽団」だった彼等は居ません。ジョンはアコギ&エレピでリズムを刻みます。ポールは変幻自在なマルチ・プレイヤー振りを遂に発揮しますが、とっても紳士的です。ジョージはペダル・トーンに固執し、リンゴも多種多様なパーカッションに挑んでいます。そして、此の作品は映画「HELP !」のサントラ盤でも在りました。其のスコアを、マーティンは書かせてもらえなかったのです。監督のスーパーマン「リチャード・レスター」と喧嘩しちゃったんですよ。其れで、ケン・ソーンが書きました。彼は印度音楽に傾倒していたので、シタールを導入しスコアを書き、ビートルズは聴いてしまった。そして、シタールに興味を持ったのでした。マーティンとレスターの、正に「世紀の喧嘩」となりました。もし、彼等が仲違いしなければ、ノラ・ジョーンズは存在しなかったかもしれません。
底抜け脱線しすぎましたね。此の楽曲、なかなか好いです。正直、サントラ面に採用されたポールの駄曲よりも好いと思います。バディ・ホリーとエバリーを合わせた様な綺麗なメロディーを、ジョンとポールがハモってジョージが加わり黄金の三重唱へと進む展開は見事です。正に、ポールにしか書けない楽曲です。何なんだよ、此の「ナルシズムに溢れた歌詞」は。よくもヌケヌケとこんな事が歌えるもんだよ。「何が見える?其れは僕だろ?云ってごらんよ、ねえねえ☆」とかヌカしてんですよ。ジョンやジョージには絶対に書けません!「愛とは何ぞや?」と悩めるレノンの隣には、常にこんなにも能天気なマッカが居たのです。哀れ也、ジョン・レノン!!でも、そんなポールが、あたくしは好きなんです。莫迦って、可愛いじゃん。
(小島藺子)
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