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2009年06月02日

FAB4-068:WHAT YOU ARE DOING

LOVE Lisa Lauren Loves the Beatles


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:ジョージ・マーティン
 E:ノーマン・スミス
 2E:ケン・スコット(9/29-30、10/27)、マイク・ストーン(9/29-30)、A.B.リンカーン(10/26)
 録音:1964年9月29日、30日、10月26日(take 19)
 MONO MIX:1964年10月27日
 STEREO MIX:1964年10月27日

 1964年12月4日 アルバム発売(「BEATLES FOR SALE」 B-6)
 パーロフォン PMC 1240(モノ)、PCS 3062(ステレオ)


「世紀の天才メロディー・メーカー」と同時に「世紀の天然バカボンのパパ」の側面を持つポール・マッカートニーの「レノマカ史上最大の駄曲!」が此れです。かつて「阿呆みたい」こと「HOLD ME TIGHT」でやらかした愚の骨頂を、ふたたび、ポールは犯しました。「BEATLES FOR SALE」用にポールが単独で書けた新曲は、此れと「EVERY LITTLE THING」のみです。8曲のレノン・マッカートニー作品が収められたものの、ジョンは多忙な中でも3曲の力を込めた新曲(「NO REPLY」「I'M A LOSER」「I DON'T WANT TO SPOIL THE PARTY」)を書きましたし、合作の2曲(「BABY'S IN BLACK」「EIGHT DAYS A WEEK」)でも主導権を握り、ポール作の「EVERY LITTLE THING」でもリード・ヴォーカルを担当しています。対してポールは五年も前に書いた旧作「I'LL FOLLOW THE SUN」のリメイク(オリジナルと聴き比べれば、此れすらレノンとの合作と云えるかもしれません)と、ジョンに丸投げした「EVERY LITTLE THING」、そして此のヘッポコ曲しか用意出来なかったのです。

ところが、こんな駄曲にまたしてもポールは固執し、なな、なんと多忙で締め切りに追われる状況にも関わらず三日間も費やして録音したのでした。嗚呼、酷い、酷過ぎる!兎に角、曲が出鱈目なのですから、何度試みても駄目なんですよ。「HOLD ME TIGHT」大失敗の教訓なんて、ポールの頭には在りません。なにせ次作アルバム「HELP !」でも「THAT MEANS A LOT」で三たびやらかしてしまいます。幸いにも其れは没になりますが、此の「WHAT YOU ARE DOING」は発表されてしまったのだ。本当に、時間が無かったのです。もうモノラル・ミックスをしなければならない日に、「リンゴのうた」をカヴァーでやっつけて、此れを再々録音したのですよ。つまり、此れが「BEATLES FOR SALE」で最後に録音された楽曲なのです。構成が無茶苦茶な曲ですので、幾らティンパニー(リンゴ担当)や12弦ギター(ジョージ担当)で盛り上げたり、ジョンがアコギとコーラスで絡んでも、「俺様ポール」の過剰な歌唱やあざといベースで台無しです。こんなんじゃ、誰もカヴァーしようって思わないのも当然です。「LEAVE MY KITTEN ALONE」を入れれば好かったのにね。ホント、「WHAT YOU ARE DOING?」と、ポールを小一時間問い詰めたくなりますよ。

世紀の駄作「LOVE」に此の曲が使われたのは、ポールのゴリ押しだったんじゃまいか?駄作に駄曲でピッタリでしたけどね。本当に、ポールには駄曲が在ります。此れが半年後に「YESTERDAY」「I'VE JUST SEEN A FACE(夢の人)」を書く天才と同一人物作とは、俄に信じられません。ひょっとして、ポールは1964年末に死んだんじゃまいか?「ポール死亡説」では1966年って事になって居るけど、アレは二人目が死んだって話なんじゃまいか?其の後は参人目なんじゃまいか?

「おいおい、ポールは綾波かよっ!」


(小島藺子)



posted by 栗 at 01:57| FAB4 | 更新情報をチェックする