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2009年05月29日

FAB4-064:WORDS OF LOVE

ベスト・オブ・バディ・ホリー シルヴァー・ビートルズ


 w & m:BUDDY HOLLY

 P:ジョージ・マーティン
 E:ノーマン・スミス
 2E:ジェフ・エマリック(10/18)、トニー・クラーク(10/26)、マイク・ストーン(11/4)
 録音:1964年10月18日(take 3)
 MONO MIX:1964年10月26日
 STEREO MIX:1964年11月4日

 1964年12月4日 アルバム発売(「BEATLES FOR SALE」 B-2)
 パーロフォン PMC 1240(モノ)、PCS 3062(ステレオ)


またしても「1964年10月18日」録音のカヴァーです。此の時、彼等は本当に切羽詰まっていたのです。其れで、遂に奥の手のカヴァー作品が登場します。「バディ・ホリー」其の夭折した天才は、多くの後輩に多大なる影響を与えました。ジョン、ポール、そしてジョージもそうでした。彼等が自費で初めて録音した音盤が「バディ・ホリー」作品のカヴァー「THAT'LL BE THE DAY」だった事実は、現在では「アンソロジー 1」で容易に聴けます。其の後もライヴやデッカ・オーディションでも多くの曲をカヴァーし、挙げ句の果てにはポールが版権を管理し、其れを知らずにジョンがうっかり「ロケンロール」でカヴァーして「ジョンが歌えばポールが儲かる」なんてトンデモ展開へ進み、其れを模倣したマイコーにポールは「レノマカ版権」を奪われると云う奇想天外な未来へと発展する程に、「バディ・ホリー」は「ビートルズ物語」で重要な人物です。なのに、現役時代の公式録音で残されたのは此の楽曲のみなのです。エルヴィスのカヴァーが壱曲も残されなかったと同様に、余りにも好きで在り、他のバンドも多くカヴァーするので避けたのかもしれません。

美しい楽曲です。手慣れた絶妙な「完全なるコピー」です。レノンの名作カヴァー盤「ロケンロール(1975年)」での「ペギー・スー」を聴いても、あのジョン様が単純に「物真似」しちゃっていますからね。単なるファンじゃん。もしもホリーが22才の若さで飛行機事故死しなかったなら、其の後の大衆音楽史は確実に変わっていたでしょう。さて、此の楽曲には論争が在ります。其れは、歌って居るのは誰か?って事です。一人は「ジョン・レノン」です。其れは間違い在りません。問題は、相方なのです。「ポール説」と「ジョージ説」が在ります。確かに、無名時代の実演での相方はジョージ(カール・ハリスン名儀時代)でした。おそらく、定説とされる「ポール説」を敢えて否定する根拠は其れでしょう。デッカ・オーディションでのジョージ歌唱のホリー作品も出来が好いです。正直、あたくしにはどっちなのか未だに分らない。聴けば聴く程、資料を探れば探る程に「結論がぼやけてゆく」のです。だから、こうしましょうよ。

「歌っているのは、ジョンとポールとジョージです」

其れで好いじゃん。何にせよ、此れはビートルズの作品なんですもの。


(小島藺子)



posted by 栗 at 02:00| FAB4 | 更新情報をチェックする