
13:30開場、 14:00開演 東京芸術劇場 中ホール
LONG HAIRED LADY
KOKAMI @ network vol.10『僕たちの好きだった革命』
「革命(改)」レポ:其の貳
再演貳度目の観劇へ行きました。初演から数えて11回目の其れでも、僕は泣いた。何度繰り返し観ても泣けるんです。
今回は、終演後に鴻上さんをホストに「まーくん、那奈ちゃん、ハリケンレッド」のトークショーが在ると云う事で足を運びました。会場に入るとロビーで鴻上さんに出くわしたので「お久しぶりです。初日も拝見しました。脚本も小説も読みました。本日も期待して居ります。」と御挨拶させて頂きました。鴻上さんは「おお!いつも有難う御座居ます。」と真摯に目をみて応えて下さった。人間として尊敬出来る片です。
其の後、ロビーで鴻上さんとGAKUちゃん達が歌を唄って居るのも発見したので、鴻上さん御本人から「うたごえ歌集」を購入しました。GAKUちゃんはあたくしを覚えてらした御様子(流石に初演9回現れ、GAKUちゃんのライヴにも行き、再演も通って10数回観た那奈ヲタは認識されるでしょう)で、にっこり笑って会釈して下さいました。人として信頼出来る片です。
トークショーは爆笑の渦でした。鴻上さんは「ナナは、素晴らしい。常に新品だ。大女優になると思って居た。本当に奇跡だ。頼りになる!」と絶賛して下さいました。鴻上さんは、僕らの同志です。オフレコにして居た「映画化が延期になったのは、堤の責任だ!糾弾する!!」までバラしちゃったよ。「俺が絶対に映画化する!」とまで云った。鴻上さん、アンタは漢だ。那奈ちゃんは、少しバツが悪そうでした。だって堤カントクが「革命」を捨てて撮った大作三部作の写真に那奈ちゃんも出てますからね。トークショーでの那奈ちゃんは髪を束ねて、始終リラックスした「那奈ちゃんスマイル」で、本当に綺麗でした。僕らは満足したので、出待ちはしなかったよ。アノ表情を観れたなら、其れで好いんだ。
でもね、やっぱ、ハリケンレッドって面白いよ。此の舞台の主役は中村雅俊さん演じる「山崎くん」で、ヒロイン&語り部は僕らの片瀬那奈ちゃん演ずる「小野未来」です。でも、物語とは作者(鴻上さん)の視点から描かれて居るのだから、本当の主役はハリケンレッドこと塩谷瞬クンが演じる「日比野くん」なのです。「日比野くん」こそが鴻上さんの分身ですし、英雄「山崎くん」に影響され闘いに向かう「小野未来」に恋をして「次は絶対に震えない」と誓う「日比野くん」の姿は、僕ら那奈ヲタが片瀬那奈を追い続ける姿勢と全くおんなじなのです。だからこそ、初演以上に強調されたラストシーンでの「イノセントの喪失」を、「PET SOUNDS」の世界を、此れでもかと見せ付ける片瀬那奈の拒絶と決別に、其れを受けた日比野くんの愕然とする表情に、僕らは感動した。誰かに恋をして、影響され、強くなろうと思った事が在るなら、きっとみんな「日比野くん」に自分を重ねて泣くでしょう。「僕たちの好きだった革命」の眞の主役は、塩谷瞬です。
(小島藺子/姫川未亜)