nana624.png

2008年12月16日

「懐メロ乙女」

私と放電(通常盤)


あたくしがネット上で最初にごく一部で有名になったのは、「2ちゃんねる」の「イコ」です。と云うのも、あたくしは創成期(1999年)以来の、所謂ひとつの「ねらー」で、しかも「コテハン」だったからです。そう、あたくしがネットにデビューした時の名前が「イコ」だったのです。されど、当時の「2ちゃんねる」は、かなり「アナーキー」で「アンダー・グラウンド」な存在だったので、おそらく一般人に近い方々にとっては「2000年」に出現した「未亜」なる「ハンドル・ネーム」で初めて知った方々の方が多かったと思います。

実際に、そうでした。現在、ネット上で知り合い現実世界でも交流が在る方々のほとんど全てが、あたくしを「未亜」とか「未亜ちゃん」とか「未亜さん」と呼んで下さっています。でもね、あたくしの「眞なる名前(HN)」は「イコ」です。「未亜」ってのは、「冗談」だった。あたくしの名前の由来になった作品で「主役を演じた女の子」の名前が「未亜」だったから、テキトーに付けたのでした。どーだって好かったんですよ「HN」なんてさ。表舞台では、流石に「イコ」じゃマズイから、仮面を被っただけです。

「未亜」がネット上で最初に出現したのは、「椎名林檎ちゃんのファン・サイト」でした。「偽名の偽名」を使って、ほんの「お遊び」の心算で、あたくしは侵入した。「未亜」以外にも、「理名」とか様々な名前で遊んでいました。そーこーしている内に「オフ会」の話が持ち上がり、面白そうだし、壱度きりならと思い、うっかり「未亜」名儀で出てしまったのです。2000年の秋でした。新宿に行くと、誰もいなかった。「ま、そんなもんか」と帰ろうとしたら、「きれいなおねえさん」に「あのぉ、林檎ちゃんのオフ会の、、、」と訊かれたのです。暫し、初対面の「さかな」サンと待っていたら、自転車に乗った漢が来て、「御免!さかなサン。えっと、ジョッジさんですか?」と云ったのだった。其れで、あたくしは「いえ、未亜と申します」と応えた。そして、其の瞬間から、全ては「僕の思わぬ方向」へと進んでしまったのでした。

林檎ちゃんが出現した「1998年」に、僕は既に「38才」でした。同時期に出現した「片瀬那奈」に導かれてもおりました。されど、僕は「洋楽者」の「ロックの人」だったので、「アイドル:片瀬那奈」のコミューンにはそぐわないと考え、「アイドル崩れのロック歌手:椎名林檎」の集まりに参加してしまったのでした。「東スポ」や「FRIDAY」を持参し「ホリプロ・タレントキャラバン時代」の話をし出す「オッサン」に、明らかに「当時の林檎ちゃん(21才)と同世代の若者たち」は退いておりました。純粋でした。「嗚呼、僕って知識に汚されたんだナァ」と思ったよ。「無知」ってさ、眩しいんですよ。

「不惑」を迎えた「ゴリゴリのロックの人(+アイドリアン)」だった僕の前にいた「林檎ファン」は、ほとんど全員が「二十歳前後の学生」で、ハッキリ云って「餓鬼」だった。二度と逢う事も無いと思ったんだが、莫迦な奴が親に近い年上の僕に喧嘩を売って来たので付き合っている内に、友達になっちまったのだよ。「奇妙な世代を超えたサークル」だった。ダンダンダン!と、林檎ちゃんは関係無くなってしまった。

其れで、あたくしは「東京事変」の「横須賀ゲネプロ」を最後に、林檎ちゃんに捨てられたのでした。アレって、何年前だっけ?ところが、其の後、片瀬那奈ちゃんのファン・サイト代表として、彼女と共演した「ミクロちゃん」こと「堀北真希ちゃん」のファンと知り合ったのでした。其れが、まさか、アノ「an apple」の管理人サンと同一人物だとは。「林檎ちゃんが繋いでくれたんだナァ」と思った。

「私と放電」を、僕は、ようやく聴いてみたんだ。泣きたい位に、大好きな林檎ちゃんがいた。甘酸っぱい記憶が蘇って来た。苦い想いも、在った。確かに、僕は、此の時代の「椎名林檎」を愛した。久しぶりに「無罪」を聴いた。泣いた。僕にとって、林檎ちゃんは永遠に「大切な存在」です。でも、もう、彼女の音楽は「懐メロ」なんです。アノ頃を鮮明に思い出させる「悲しい酒」なんです。

林檎ちゃん、作曲して頂戴。新曲が聴きたい。「東京事変」ぢゃなく、サントラとかコラボとかぢゃなく、僕を打ちのめした「無罪」みたいな、アレを超えるソロ作品を出して欲しい。林檎ちゃんなら、出来る。林檎ちゃんの作品で、商業的に最も成功したのはソロ二作目のピンクちゃん:「勝訴ストリップ(2000年)」で、当時だけで200万枚も売れたのです。されど、僕の様な「無罪厨」が多く存在する様に、デビュー作「無罪モラトリアム(1999年)」こそが、未だに最高傑作だと、僕は強く思う。

現実問題として、商業的にも林檎ちゃんは「無罪/勝訴」以上の作品を遺していません。「林檎ちゃんの僕(しもべ)」に支えられて、ファンの為に「拡大再生産」をやっているとしか思えません。世間には、何も通じて無いよ。「あゆ」や「ヒッキー」etc. と、おんなじじゃん。いや、其れ以下じゃん。林檎ちゃんは、破壊しなきゃさぁ。凄い作品、出してよ。僕は、ずっと、信じているよ。


初出「COPY CONTROL」(原題「懐メロ」) (小島藺子/姫川未亜)



posted by 栗 at 23:16| ONDO | 更新情報をチェックする