先日、神保町でCD屋さんを巡っていたら一服したくなりまして、ヴィレヴァンの喫煙所に行きました。その時居たCD屋さんにも喫煙所はあるのだけど、煙草もライターも持ってなかったので隣の自販機で煙草を買って、ライターはヴィレヴァンで買おうと思ったわけです。
そして「ぼくは煙草をくわえ一服するとアノコのことを考え」たら松本隆になってしまいますから、なにも考えないで壁をみていました。その壁には「バンドメンバー募集」の紙切れが沢山はってあって、なんとなく眺めていたんですが、そのうちなにか考えてしまったんです。
と言うのは、大体10代後半から20代前半の大学生くらいのひとたちが募集していたわけですけど、彼等がこんな感じの音楽をやってますって中にやけに「はっぴいえんど」と挙げてるのが多かったからなんですよ。だから「お、若いのに随分と昔のグループを聴いているんだなぁ」なんて思って他に誰を挙げてんだろ?と見てみると最近のバンドばかりなんですよ。解散したバンドでは「ユニコーン」とか「JAM」なんかも在ったけど、其れはつまり民生とかYUKIってことなんでしょう。いや「ユニコーン」もかなり昔のバンドだけどさぁ。
つまりリアルタイムで体験したってのが「ユニコーン」あたりからなんでしょうね。「はっぴいえんど」からいきなり「ユニコーン」なんだもんなぁ。おじさんはびっくらこいたよ。いや此れってきっと「ユニコーン」から始まって今のバンドまで来てから、いきなり「はっぴいえんど」なんぢゃないのか?70年代と80年代は空白ですね。洋楽嗜好の強い方だとせいぜい「スミス」あたりから始まってて最近のひとまで書いてあってね、いきなり最後に「あとビートルズも」とか「やっぱ、THE WHO」とか書いてあるんですよ。どーなってんだ?って事情はなんとなく分かるけどさ。
「ザ・ビートルズ」とか「はっぴいえんど」って便利ですね。各人のソロとか「ウイングス」とか「キャラメル・ママ」とか「YMO」とか、さらに其の関連音源とかまで全部含めているわけだ、最近のひとはすぎょい!!んなわけねーよな。どーりで共通言語にはならないわけだ。
大滝師匠が言ってた「視点を現在に置いていては、歴史の本質はみえない」ってのは名言ですなぁ。
初出「COPY CONTROL」 (小島藺子/姫川未亜)