w & m:LENNON / McCARTNEY / Nicolas / Montague
P:ジョージ・マーティン
E:ノーマン・スミス
2E:ジャック・エスマンジョー(1/29)
録音:1964年1月29日
MONO MIX:1964年3月10日
STEREO MIX:1964年3月12日
1964年 西ドイツ発売
さてと、もう壱曲の「接待録音」です。但し「KOMM, GIB MIR DEINE HAND(抱きしめたい)」が基本的にはオリジナル・テイクのオケを流用したのとは違って、こっちは彼らには珍しい「完全なる別テイク」で御座居ます。なんて事だけ云うとだ、「何だか、オラ、わくわくして来たぞ!」な展開ですけど、其れは残念ながら「魔人ブーーーーーーー!」なのだ。「SHE LOVES YOU」の項でも述べた通り、1963年7月1日に行われた「SHE LOVES YOU / GET YOU TO THE END」セッションの詳しい記録は残っておりません。何故なら、セッションばかりか、「2トラック・テープ」すべてが処分されてしまったからです。シングル用の楽曲だったので、モノ・ミックスのみが行われ、其のマスター以外の何もかもぜ〜んぶなくなっちゃったのですよっ!
「信じられない愚挙だっ!」
だってさ、アータ、「SHE LOVES YOU」のテープを消しちゃったんですよ。何じゃ、そりゃ?常識的に「有り得ない!!」でしょ。なな、なんと、初期ばかりかビートルズ全キャリアに於いても最重要曲のひとつである「SHE LOVES YOU」の「2トラック・マスターは消された」のでした。幾ら当時のテープが高価で在ったからと云って、やっていい事と悪い事って在るでしょう?只、此の時の教訓が其の後「ビートルズの音源は、どんなクズでも絶対に捨てるなっ!」と云う「社訓」を作らせ、実質的なラスト・アルバムのエンディングを「愉快なモノ」にするのです。
「流石は、ビートルズ!タダでは転ばんのだっ!!」
ま、其れは「此の連載の最後の方のお楽しみ」です。兎に角、捨てちゃったのか、消しちゃったのか、重ね録りしちゃったのか、、、は定かではありませんが、失ったモンは帰って来ません。其れで、こっちの独逸語版は「ベーシック・トラックから全部録音し直さなければならなかった」わけです。あ〜あ、嫌がる奴がいますよ。新しい事しかしたくない「芸術家」で「リーダー」が居ますよ。困ったネェ。独逸語版を半ばイヤイヤ録音した日、彼らは「次のシングル曲」の録音もやっています。其れはポール作の「CAN'T BUY ME LOVE」でした。彼らは、既に「1964年」にいました。過去の焼き直しなんて、やってらんないのです。
特に、ジョンが分り易い。オリジナルに比べて全体的にルーズな演奏ですが、ジョンは丸っきりやる気が無いです。英語版ではジョンの声が大きいのに、独逸語だとポールに負けてます。其れは、決して「ポールにはハンブルグ時代に隠し子がいる」からではないでしょう。英国公式盤では1979年、米国キャピトル盤でも1980年まで正式発売されなかったヴァージョンです。米国スワンから、チャカリとシングル盤が出ていた方が驚きです。ドイツ以外で公開されたのはアメリカの、しかもマイナー・レーベルのみでした。いえ、実は日本では「ビートルズ No.5」なるヘッポコ盤やコンパクト盤にも収録されていたのです。でも、後追いの立場としては英国公式を中心に集めていたので、そんなもんは無視しておりましたから、必然的にあたくしが今回の連載本編で書く「公式213曲」の中では、、、
最後に聴いた「お宝音源」でした。
其れが、此れです。正に「目が点になる」とは此の事かと思い知らされましたよ。
ま、「お宝なんて、そんなモンですよっ」
(小島藺子)
初出:「COPY CONTROL AGAIN」2008-7-4
REMIX-1:「COPY CONTROL」2008-10-4
(and this is REMIX-2 by 小島藺子)
初出:「COPY CONTROL AGAIN」2008-7-4
REMIX-1:「COPY CONTROL」2008-10-4
(and this is REMIX-2 by 小島藺子)