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2005年08月15日

「MVP は川田利明です。」

デビュー20周年記念 蝶野正洋“I am CHONO”DVD-BOX


今年の「G1」が終わったね。いや、お馬さんの方じゃなく、新日の夏の定番イヴェントですよ。15回目で、なんとまぁ「蝶野が5回目の優勝」と云う結末だったけど、シリーズ全体を観ると成功だったんじゃないかな。はっきり云って「G1」までコケちゃったら、新日は終わってしまうんだけどさ。

最後の両国二連戦を前にして、Bブロックは既に其処まで全勝の藤田と、同じく引き分けは在ったけど負けなしの中邑が決勝トーナメント進出を決めていて、両国初日は其のふたりによる直接対決。どっちが予選を首位で通過するか?ってことになったんだけど、ガチでも中邑なんぞがかないっこないうえに、全勝優勝を宣言した藤田に負ける理由は在りません。問題はAブロックで、其の時点で蝶野、川田、天山、永田さんの4人に決勝トーナメント進出の可能性が在ったわけですよ。しかし、蝶野はこう云いました。「藤田!中邑!川田!全部勝つ!オレが優勝だ!!アイアムチョーノ」あたたたた、、、ネタバレしちゃったよ。

結局「蝶野の予言通りの4人によるトーナメント」となったわけですが、同点ながら川田に直接対決で勝って居る蝶野がAブロック首位となります。此れで準決勝で待望の「藤田 vs 川田」が実現することになりました。となると、優勝は、、、準決勝で負けた中邑と、蝶野が何かこそこそと話して居たのは御愛嬌。対して、川田の負けっぷりはもの凄かったね。三沢戦など、どっかに吹っ飛んだよ。

決勝はこれまた蝶野の予想通り、藤田との対戦です。「炎のファイター・スロー・ヴァージョン」で先に入場した藤田に対して、なんと蝶野は「橋本のテーマの前奏」を付けた自分のテーマ曲で入場。ありゃりゃ、そーゆーことかい。

さらに「闘魂三銃士の技を駆使」し、勝利した後のインタビューで「ハシモトー!」と叫ぶと、場内には「爆勝宣言」が流れると云う、絵に描いたよーな感動的な結末です。

普通に考えれば、藤田が全勝優勝して当たり前の大会でした。けれど、現在の状況で「最も感動的な演出」は此れしか在りません。「だからプロレスはダメなんだっ!」なんて野暮なこたぁ云わないで下さい。何故なら、あの藤田が「負け試合でマジ・モードになっていた」んですからね。対戦した中西や川田の実直な負けっぷりが、あの藤田の心を動かしたんじゃないかな。当然のことだけど、蝶野も素晴らしかった。橋本を思う気持ちが、必要最低限のアピールで留めたトコに感じられた。「橋本の件」が無かったら、「蝶野の優勝」って「絵図」は、無かっただろう。だから、今年は此れで良かったんだ。あたくし、ナンダカンダ云っても、素直に感動してしまったよ。泣いたよ。まだまだ、プロレスはイケてますよ。

でも、もう「橋本で興行を打つ」のは、やめて欲しいな。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



posted by 栗 at 21:59| KINASAI | 更新情報をチェックする