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2009年04月19日

「風車の理論」

昭和プロレス [DVD]


其れで、また呑み始めた。

ぼんやりザッピングをして「K-1」の途中から流して居たのだけど、あんまり面白くなかったナァ。印象に残ったのは紀香が相変わらずハイテンションだったこととか、魔裟斗が熱く「強い漢は優しくなれるんです。彼はワルだったけど、こんなにも優しく笑える様になった。格闘技はこーゆーもんだってことを、もっと世間に知って欲しい!」とええことを熱く語ったのに、実況アナが「此の放送席にも優しくて強い漢が居ますね、だから魔裟斗さんもひとりの女性(矢沢心ちゃん)だけじゃなく、沢山の女性を愛して下さい」などとトンデモ発言をしてたこと位だな。

てか、ほとんど画面を観て居なかったんだけどさ。「人生ドラマを絡める演出」は、どーにかなりませんかね。「元・不良」だから偉いのか?元々真面目にやってた奴が間抜けみたいじゃん。子沢山で生活が掛かって居るからって、そんなモチベーションはもうええよ。(【注】二年も前(2007年4月)に書いた記事なのに、状況は2009年4月の現在でも変わって無いどころか、より酷くなって居りますです。)

其の後に「IKKO」ちゃんが出てた。名前も似てるけど歳もほとんど一緒かよ。「どんだけ〜!」の使い方を学んだよ。正直「K−1」より面白かった。何だかナァ、、、

で、「シンボルず」に見入ってしまい、久しぶりに「NOAH」の時間まで起きてたんで「最近は、何やってんのかしら?」と思ったら「三沢vs佐野」だってさ。(【注】「NOAH」地上波中継も2009年3月で遂に打ち切られ、最早「ワールドプロレスリング(新日)」のみが地上波で毎週放映されるプロレスになりました。ナンダカンダ云って、新日は「シブトイ!」です。ま、今やってんのは全部「黄金時代の焼き直し」なんだけどね。)

「おい、今が2007年ってのは嘘なんだろ?ミサミサ。」

けれど、プロレスラーが「一番輝く」のは、30代後半から40代前半なんですよ。確かに30歳前後でピークは来る。猪木なら「アリ戦の頃」が、本人も認める「全盛期」だ。しかしながら、彼の名勝負は其の後により多く残されたのだ。

「落日の闘魂は観たくないっ!」とフルタチが絶叫した1980年代に、僕は猪木に熱狂した。シンやハンセンやアンドレやブロディ、そして自分の弟子たち(ドラちゃん、ホーガン、長州、組長、木戸さん、アキラ、闘魂三銃士、などなど)と闘い、無様な姿を晒しまくった猪木は、かっこよかった。(逆説的な「早川義夫」理論)

1986年2月6日に、藤原喜明と両国国技館でメインエベントを行った時には、心底感動した。だって、アノ藤原だぜ。「前座の鬼」と云われ、プロレス者の間でだけ有名な男だった。長州を襲撃させ「テロリスト」として全国区になるまで、彼の試合は、たった一回(愛すべきマードック戦)しかTVで放映されて居なかったのです。

海外遠征でも必ず帯同し、長年スパーリング・パートナーだった彼は、お世辞にもスター性が在るタイプではなかった。でも長い下積みを経験し実力は折り紙付きだった。現在では有名になった「サブミッション」を、最初に世間に知らしめたのは間違いなく彼だろう。

猪木は、なりふり構わず、藤原を叩き潰した。効いてないはずがない「アキレス腱固め」には「そっちじゃねー、こっちだ。きめる方向が逆だ」などと嘘八百を捲し立て、金的に蹴りを入れ、最後は明らかな首絞め(猪木がやると「チョーク・スリーパー」と云う立派な技になる)で落とした。挙げ句に、激高し乱入した前田のハイキックをマトモに喰らって魅せた。

前田の乱入は、ガチだった。つまり「演出では無かった」のだ。だが「猪木は蹴りを避ける事が可能だった」と、蹴ったアキラ自身が証言して居る。「猪木サンは俺が蹴った時に上に飛んだんだよ。だから顔面を狙ったのにアゴに入っちゃったんだよね。アレさ、猪木サンが受けてくれたんだよ。」と。

つまり、猪木は咄嗟に判断したのだよ。「前田の蹴りを避けるよりも、敢えて受けた方がお客さんは盛り上がるだろう。」と。だから「最小限の防御」をしたのです。10センチ程、猪木は其の場でジャンプして、顔面を狙ったアキラのハイキックをアゴで受けたのでした。すぎょい。実際に映像を検証しても、確かに「猪木は上に飛んで受けて居る」のです。猪木は大袈裟に倒れ、「新日」と「U」のセコンドが雪崩れ込み大乱闘に発展します。フルタチが興奮して「開戦ですねぇ〜っ!」と絶叫すれば、桜井サンも「此れまでは鬱憤が貯まってましたよ。今の前田クンのキックで、其の箍が外れましたねぇ」と素早く的確に解説します。小鉄は、当然、放送席から消えて「乱闘」の渦へと突進して居ます。

「全部、猪木の思惑通りじゃまいかっ!」

アノ頃の猪木の試合は、現在観ても充分に面白い。当時は眉を顰めてしまった「マシーン軍団」や「海賊男」ですら、楽しい。困ったもんだ。

ところで、あたしが愛するプロレスラーは「猪木」や「佐山」そして師匠「藤原」や「山ちゃん」とかの所謂ひとつの「昭和プロレス」の方々なのですけど、現役で好きなプロレスラーって、東京都江東区出身の「越中詩郎」と、同じく東京都江東区出身の「小島聡」なんですよ。ま、どちらも色濃く「昭和」の香りを遺し、共に「元・サラリーマン」って「苦労人で努力家」なんですけど、やっぱ「地元のレスラー」なわけで、どーしても理屈抜きに贔屓しちゃいますよね。「隅田川の向こう」の「下町」は「好い処」です。僕は生涯、此処で暮らすのでしょう。自宅も職場も此処ですから、那奈ちゃんのイベントでも無い限りは電車にすら乗らない「江東区の一部だけの日々」を送って居ます。

だって此処は「片瀬の街」だもの。(結局、落ちは其れかよ。)


(小島藺子)




初出「COPY CONTROL」2007-4-30



(REMIX by 小島藺子:2009-4-19)


posted by 栗 at 19:17| KINASAI | 更新情報をチェックする