猪木の歴史を観ていると、あらゆる「プロ格闘技」を始めたのは、アントニオ猪木であると断言出来ます。猪木はすべての元祖であり、本家でもあるのです。其れだけ猪木は多くの要素を持っています。沢山の弟子も育てましたが、結局は弟子は弟子でしかなかった。
藤波は「相手を光らせる技術」を、佐山は「アイドル性と先進的な格闘技への探究心」を、長州は「カリスマ性」を、藤原は「関節技」を、前田は「異種格闘技戦での格闘王」を、高田は「芸能人としての才能」を、橋本は「敗北の美学」を、小川は「キラー猪木」を、それぞれ受け継ぎました。他にも、武藤、蝶野、ライガー、船木、藤田、などなど多くの弟子が猪木から学びました。日本人だけではなく、ハンセンやホーガンなども、みんな「猪木チルドレン」なのです。
果たして、元祖で本家である「アントニオ猪木」は、其れらすべてを内包しているわけですよ。勝てません。永遠に敵いません。そして、其れは「総合格闘技が永遠にプロレスには敵わない」と云う結論にも行き着くのです。プロレスがなければ、U系も、K-1も、PRIDEも、なんもかんもが始まらなかった。アリ戦の後に贈られた「アリ・ボンバイエ」→「イノキ・ボンバイエ」での入場パフォーマンスですら、猪木が始めたのです。
若人に告ぐ。今こそ「猪木を見よっ」
初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)