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2008年04月07日

「ストロング・スタイル」

ブルーザー・ブロディ私の、知的反逆児


僕がマトモに師事して学んだ音楽は「声楽」だけです。つまり、楽器は全部、独学なんです。小2の時にチラシを見て、ピアノを習わせて欲しいと父親にお願いしたのだけれど、何故か叶いませんでした。ま、よーするにピアノなんか買えない家庭環境だったわけですよ。其れで、小3の時に「少年少女合唱団」に入りたいと云ったら、すぐに入団手続きをしてもらえたのです。歌うのはタダだもんね。

だから、僕は本格的に先生に付いて声楽を学んだわけです。完全なるクラシックでした。音楽はクラシックだと思っていました。レコードを買うなら「最初はシューベルトの歌唱集がいいナァ」なんて考えていて、父親に話したら喜んでました。父は歌謡曲が大嫌いでした。ま、こっそり聴いてたんだけどさ。其れでも、とてもじゃないけどレコードを買う様なもんじゃないって思っていました。男子で声楽を本格的にやっているなんて、田舎の小学校では全校で一人きりだったので、音楽の女性教師には赤ら様に贔屓されていました。其れでイジメられたりもしたけれど、僕は音楽が大好きだったから平気だったよ。

嗚呼、其れなのに、中学校に入って THE BEATLES を聴いてしまったのです。ロックの虜になっちゃったのです。もう、クラシック音楽なんて聴いてらんないし、合唱団も辞めてギターを独学で始めました。其の後の展開は、アノ時代では、よくある噺です。

そんな僕がふたたびクラシックに興味を持ったのは、プロレス者になったからでした。ブルーザー・ブロディがベートーヴェンの「運命」と共に新日に登場したり、藤原がワルキューレで入場したりしたからこそ、僕のレコード・ライブラリーには其れらが加わったのでした。


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (姫川未亜/小島藺子)



posted by 栗 at 00:01| KINASAI | 更新情報をチェックする