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2009年04月17日

FAB4-027:HOLD ME TIGHT

Back to Mono (1958-1969) サムホエア/エニホエア?〜幻の未発表音源集 ベイシーズ・ビートル・バッグ


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:ジョージ・マーティン
 E:ノーマン・スミス
 2E:リチャード・ランガム(2/11、9/12)、ジェフ・エマリック(9/30、10/29)
 録音:1963年2月11日(ボツ!)、9月12日(リメイク)
 MONO MIX:1963年9月30日、10月23日、STEREO MIX:1963年10月29日

 1963年11月22日 アルバム発売(「WITH THE BEATLES」 B-2)
 パーロフォン PMC 1206(モノ)、PCS 3045(ステレオ)


ポール・ファンなら1973年に発売された「ポール・マッカートニーとウイングス」のアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」のラストを飾る「メドレー」に、同名異曲で在る「HOLD ME TIGHT」って名曲が在る事は知っているよね?

「ポールよ、自分が書いた曲名まで忘れたのかっ」

うんにゃ、ポールは決して忘れちゃいない。只、思い出したく無いだけさ。(アキラ声で)此の曲は、酷い、駄曲だ。なのに、ポールはたった一日しかなかった「PLEASE PLEASE ME」セッションで、在ろう事か此の「世紀のクズ曲」を13テイクも録音したのです。

「莫迦かお前はっ!」
(↑小川に完敗した橋本が「猪木さん!有難う御座居ましたぁーっ!」と絶叫した時に飛んだヤジ声で)

其れどころか、「WITH THE BEATLES」セッションでも更に10テイクも録音し、マーティンもエマリックも困り果て、モノ・ミックスを二回もやってんじゃねーかよっ!こんな「クズ曲」に、正式レコーディングだけでも「23回」も付き合わされた「ジョン、ジョージ&リンゴ」って、一体、、、ずっと後の噺になりますけど、解散間際の「ホワイト・アルバム」セッションや、悪夢の「ゲバ」などでも「天然バカボン:ポール vs 他の三人」って確執が登場します。其の元祖が此れでした。

「最初っから、ポールって、、、おまいって奴はっ。」

だってさ、リメイクですよ。其れなのに此れよ。あのさ、ポールの音程、外れまくってんじゃん。嫌気がさした他の参人も投げちゃってますよ。「ビートルズに駄曲なしっ!」と断言するあたくしでも、此れは一寸、酷いと思うぞ。何故だ?何故、ポールは、空耳で「アホみたい」と聴こえるこんなクズ曲にこだわったのだ?確かに、ポールには名曲とおんなじくらいの数だけの「駄曲」が在ります。つまりだ、アノ「世紀のメロディー・メイカー」様は、

「な〜んも考えてね〜んだよっ!」

ジョンやジョージは、懸命に「推敲」を重ねて「名曲」を残しました。リンゴ?ああ、彼は「曲なんか書けませんです!(断言)」なので論外なのよ。何?リチャード・スターキー名儀の曲も在るって?んなもん、全部「ジョージが書いてあげた」だけじゃん。少なくとも、名作「RINGO(1973年)」までのリンゴ名儀の曲って、本当の作者は「ジョージ・ハリスン」じゃん。例外は「DON'T PASS ME BY」位でしょ?アレはリンゴが書いたと思うよ。しかも、四年も掛けてね。其れでアレだぞ。リンゴには「作曲能力なんか無い!」です。

でさ、ポールってさ、出来ちゃったら「全部、発表しちゃう」のよさ。てかさ、マジで「推敲」なんてしないの。ポールは、一発で曲を書いちゃうの。最初から、全部、出来上がってるのよ。だから、例えば「YESTERDAY」とか「HEY JUDE」とか「LET IT BE」とかの名曲も、此の目も当てられない屑曲「HOLD ME TIGHT」も、作り方はおんなじなのですよ。つまりは「出たとこ勝負」なんです。兎に角、素材を作って、あとはスタジオで何とでもなるって考えてんのよ。ポールの曲って、恐るべき程に「コード進行が単純」なんです。誰でも知ってる展開なの。でも、ポールが作り、編曲し、演奏し、歌うと「魔法」が生まれるのですよ。だからこそ、ポールはテイクを重ねるのです。「きっと、もっとよくなる」って信じているのですからね。でもね、元は一発で出来上がっているのよさ。変えようが無いの。幾らアレンジしたって「名曲」は「名曲」で、「駄曲」は「屑!」なんですよ。

ジョンなんか「一発録りが楽でええや」って人ですから、堪ったもんじゃなかったでしょう。いや、ポールの完璧主義も、数多の名曲を生み出したのです。でも、其れは「元の楽曲が好い」って大前提ありきでしょう。もうね、素直に書けば名曲を書けるのに、無理に「へんちくりん」なコード展開を試みて、当然ながら「大失敗!」って云う「目も当てられない悲惨な土ツボへハマって行く」って「屑曲」の見本みたいな代物ですよっ。

「此の曲は酷い、酷過ぎるんだよ〜んのおじさんだよ〜ん!」

ところが、こんな「へぼ曲」を、フィル・スペクターやトッド・ラングレンやカウント・ベイシーがカヴァーしているのです。何故だ?おいおい、だからさ、書いた本人だって「アレはなかったことにしよう。そうだっ!おんなじタイトルで新曲を出してしまえばええじゃまいかっ!ボクって、やっぱ、天才だよナァ」なんて考えているんだからさぁ。

「頼むから、ポールを勘違いさせないで頂戴!」

こっちの「HOLD ME TIGHT」は、駄曲でつよっ!他人への提供曲でも、ジョンの作品は「勿体無い、自分で歌えよ」と思えるのに、ポールの其れは「当たり外れ」が激しいのです。何にも考えて無いのよさ。いや、考えてる事って云えば、若大将が証言する通りなのよさ。

「ポールは、おねえちゃんのアソコの事しか考えてないのよさっ!」

若大将が「こいつは、いつもこんな事しか考えてないのか?」と呆れ返ったのも頷けるわよ。アノ絵(来日公演時に、若大将と伍人で「スキヤキ」を食べながら描いた『WOMAN』)は何なのよさっ!「便所の落書きか?」ポールは「単なる助平な莫迦」です。完全なる「天然」です。此の歌も「今夜、僕とやろうぜ!」と連呼しているだけです。そんな下らない駄曲を正式レコーディングで「23回」もやらかして、すっかり忘れたふりをしちゃうんですから、トンデモないですよ。てか、マジで忘れちゃったのかもしれません。正に「やり逃げ」です。


(小島藺子)


初出:「COPY CONTROL AGAIN」2008-6-25
REMIX-1:「COPY CONTROL」2008-9-25

(and this is REMIX-2 by 小島藺子)



posted by 栗 at 00:14| FAB4 | 更新情報をチェックする